Sambaプロジェクトがすべてのオープンソース開発者にWindowsプロトコル文書を提供へ

 Sambaプロジェクトのおかげで今やフリーソフトウェア開発者は、希望すればWindowsのネットワークプロトコルについての文書を入手することができるようになった。SFLC(Software Freedom Law Center)とFSFE(Free Software Foundation Europe)からの協力を得てSambaプロジェクトは、プロトコルの文書を取得できるようにするための契約の成立にこぎつけ、さらに、他のフリーソフトウェアプロジェクトにも文書を利用可能にするためのPFIF(Protocol Freedom Information Foundation)を新たに設立した。

京セラミタと米Microsoft、一部のLinuxベース技術を含む特許クロスライセンス契約を締結

 京セラミタ(本社:大阪市)と米Microsoftは2007年11月14日、両社が保有する特許を相互利用できる包括的な特許クロスライセンス契約を締結したと発表した。京セラミタは、デジタル複合機やプリンターのほか、Linuxベースの組み込みデバイスなどでもMicrosoftの特許を利用できるようになるという。

現状の出願済みLinux特許に対する一考察

 Acacia Technologies Groupが同グループの有する3件の特許をRed HatおよびNovell版Linuxが侵害したとして起こした特許侵害訴訟以降、Linux業界は色めき立っている。ところで、この種の特許侵害訴訟はLinux全体にとってどの程度の危険性を秘めているのだろうか? 本稿ではその1つの指標として、Linuxに関連する米国特許公報の現状について考察してみることにする。

Codec Buddyを使ってハームリダクションに取り組むFedora

 公衆衛生学には、ハームリダクションという考え方がある。ハームリダクションとは、売春のように潜在的に有害となり得る悪習慣を根こそぎ撲滅しようとする代わりに、その悪影響を最低限に抑えようとする考え方のことだ。ハームリダクションでは、例えば麻薬中毒者のために安全な注射方法を説明するウェブサイトを設置するなど、悪習慣を部分的に許容していることが多い。今回Fedora 8は、MP3などの非フリーなコーデックの問題に対して、Codec Buddyという形でハームリダクション的な解決法を採用した。

「“特許投機家”対策は火急の課題」――Intel法務担当幹部が強調

 米国Intelの法務担当エグゼクティブ・バイスプレジデント、ブルース・スウェル氏は10月22日、ワシントンD.C.で開催された特許改革フォーラムにおいて「米国のIT業界はここ数年“特許投機家”から多数の訴訟を起こされている。議会は、現行の特許制度の問題点を早急に修正すべきだ」と語った。

下院通過の特許改革法案、発明者らがあらためて反対を表明――上院での成立を阻止すべく議会に働きかけ

 9月20日、米国の発明者や企業の幹部ら約20人がワシントンを訪れ、米国議会で審議中の特許改革法案に反対する意思をあらためて表明した。同法案は9月初めに下院を通過し、上院で採決されることになっているが、発明者らは同法案の成立を阻止すべく、議会への働きかけを行っている。

特許改革法案が米国下院で可決――大手ITベンダーや業界団体は歓迎の意

 米国下院は9月7日、米国の特許制度を全面改訂する特許改革法案(Patent Reform Act of 2007)を賛成225票、反対175票で可決した。同法案については、多くの民主党員をはじめ、MicrosoftやIBMなどの大手ITベンダーが支持を表明する一方、多くの共和党員、小規模発明家、一部の労働組合などが反対していた。

Peer-to-Patentパイロット・プログラム、改革を目指して発進

 New York Law School(NYLS)のInstitute for Information Law and Policyは、7月15日、米国特許商標庁(USPTO)と共同で、Peer-to-Patentコミュニティー・パテント・レビュー・パイロット・プログラムを開始した。フリー・オープンソース・コミュニティーの中にはほとんど関心を示さない団体もあるが、同プログラムのリーダーであるNYLSのBeth Noveckは楽観的だ。商務省を含む連邦機関や、Red Hat、Microsoftなどのソフトウェア企業が関心を示しており、各国でも広がりを見せているからだ。

Google、Linux特許共有会社「OIN」とライセンス契約――ユーザー企業の立場でLinux特許問題回避の活動に参加

 米国Googleは8月7日、Linux特許共有企業のオープン・インベンション・ネットワーク(OIN)との間で、エンドユーザー企業として始めてライセンス契約を締結したと発表した。OINは、Linuxを特許侵害訴訟から守るために関連する特許を取得し、企業間で共有化を図ることを目的に2005年に設立された。

米国の特許制度は危機に瀕している――GoogleやIBMらが問題点を指摘――特許改革法に加え、審査プロセスの見直しなどを提言

 米国カリフォルニア州パロアルトで開催された「Stanford Summit 2007」(7月31日-8月2日)のパネル・ディスカッションに、Googleをはじめ、IBMやAppleの幹部らが参加し、米国の特許制度がゆがめられ、乱用されていることに懸念を表明した。