Linuxカーネル 2.6.34リリース、新ファイルシステム対応や電源管理機構の強化など改善点多数

 Linus Torvalds氏は5月16日、Linuxカーネル 2.6.34のリリースを発表した。2月末の2.6.33公開以来、約3か月ぶりのリリースとなる。「特に興味深いものはない」とTorvalds氏は記しているが、新たに2種類のファイルシステムに対応するなど、多数の機能強化が図られている。

sysctlによるカーネルのチューニング

 Linuxカーネルは柔軟性が高く、sysctlコマンドを利用すれば、カーネルパラメータを動的に変更してその場で動作を変えることさえ可能だ。sysctlのインタフェースでは、LinuxまたはBSDの何百というカーネルパラメータを参照したり変更したりできる。変更はただちに反映されるが、リブート後まで変更を保留する手段もある。うまくsysctlを使えば、カーネルを再コンパイル翻訳記事)しなくてもマシンの最適化が可能であり、しかもその効果をすぐに確認できる。

linux-libreプロジェクト、なかなか賛同を得られず

 今年は、フリーソフトウェア財団(FSF)が支持する完全にフリーなディストリビューションgNewSenseのバージョン2.0がリリースされたり、Ubuntuがフリーソフトウェアのみをインストールするオプション翻訳記事)を追加したりという動きがあった。そんな中、Red Hatの社員で、フリーソフトウェア財団ラテンアメリカ(FSFLA)の役員としても知られるAlexandre Oliva氏が、linux-libreというプロジェクトを進めている。もくろみ通りに事が運べば、100%フリーなディストリビューションの構築を容易にするプロジェクトになるはずだった。だが残念なことに、自由を求める同氏の道のりは、主義主張の違いに阻まれたり、理想より利便性を求める声に押されたりして、難航している。

Ottawa Linux Symposium 2008総括

 今年のOttawa Linux Symposium(OLS)の3日目には、多くのセッションが開催された。なかでも目を引いたのは、Ubuntuの創設者にして宇宙旅行者であるMark Shuttleworth氏の基調講演だ。氏は、シンクロニシティ(共時性)について議論を始めるようLinuxコミュニティ全体に呼びかけた。”シンクロニシティ”とは、主要なソフトウェアのリリース時期を同期させることを指す、Shuttleworth氏独特の言い回しだ。同コンファレンスは、終盤の愉快なセッションと統計情報の発表をもって土曜日に閉幕した。

OLS:カーネルの文書についての講演とカーネルパッチの提出についての講演

 4日間に渡り開催される第10回年次Ottawa Linux Symposium2日めの今日はまず、Rob Landley氏による、小鳥が「助手」を務める異例の講演「Where Linux kernel documentation hides(Linuxカーネル文書の隠れ場所)」に出席した。なおかわいらしい声で鳴く小鳥はおとなしくて、2度だけ聴衆の頭上を飛び回った以外はほとんどの時間、講演内容に熱心に耳を傾けていた。

Ottawa Linux Symposium 10:初日の報告

 今年で10年目を迎えるOttawa Linux Symposiumが先週水曜、カナダの首都オタワで、カナダ国会議事堂からほんの数ブロックの所にある、建て直しのための解体工事の真っただ中のコンファレンスセンターにおいて開幕した。例年通りカーネル開発の現状についての基調講演から始まり、今年はMatthew Wilcox氏が講演した。初日には数十の講演や全体会議が行われたが、中でもカーネルワイヤレスメンテナのJohn Linville氏による講演「Tux on the Air: the State of Linux Wireless Networking(Tux on the Air:Linuxワイヤレスネットワークの現状)」があった。

ミラクル・リナックス、動的不具合修正ソフト「KAHO」を公開

 ミラクル・リナックス(本社:東京都港区)は2008年7月23日、高可用プラットフォームのLinuxサーバの不具合を動的に修正するソフト「KAHO(Kernel Aided Hexadecimal code Operator)」を発表した。NGN(Next Generation Network)での利用を想定、サービス中断を最小限に抑えるという。近く、GPLライセンスで公開する予定。

コメンタリ:Linux Foundationが投影するLinuxの将来に対する懸念

 第2回Linux Foundation Collaboration Summitへの参加後、私は複雑な気持ちで過ごすことになった。Linus Torvalds氏の貴重な時間を購入する形でフリー/オープンソースソフトウェアの広告塔的プロジェクトの旗振り役を継続してもらおうとするグループの活動は、むげに否定できるものではない。だが同時にこのヒモ付き援助システムこそがLinux Foundationに対して私が抱く最大の懸念でもあるのだ。

Linux Foundation Collaboration Summitの価値

 現在、テキサス州オースチンでLinux Foundation Collaboration Summitが開催されている。招かれた出席者が約300人という小さなイベントだが、小さいからこそ面白いこともある。いま真ん前にすわっている誰か、自分と話をしている誰かこそ、Linuxカーネルやビジネスやオープンソースの世界でよく名前を聞く人物――たとえば、Ted Ts’o、Jon “maddog” Hall、Bruce Perens、Dan Frye、Larry Augustin――かもしれない。イベント会場になったテキサス大学のJ.J. Pickle研究センターは、1999年にIBM社が最初の「秘密」Linuxサミットを開催した場所としても知られている。IBMは、ここで同社のLinux戦略を社内的に発表し、細部を詰める作業を行った。