コメンタリ:Linux Foundationが投影するLinuxの将来に対する懸念

 第2回Linux Foundation Collaboration Summitへの参加後、私は複雑な気持ちで過ごすことになった。Linus Torvalds氏の貴重な時間を購入する形でフリー/オープンソースソフトウェアの広告塔的プロジェクトの旗振り役を継続してもらおうとするグループの活動は、むげに否定できるものではない。だが同時にこのヒモ付き援助システムこそがLinux Foundationに対して私が抱く最大の懸念でもあるのだ。

Linux Foundation Collaboration Summitの価値

 現在、テキサス州オースチンでLinux Foundation Collaboration Summitが開催されている。招かれた出席者が約300人という小さなイベントだが、小さいからこそ面白いこともある。いま真ん前にすわっている誰か、自分と話をしている誰かこそ、Linuxカーネルやビジネスやオープンソースの世界でよく名前を聞く人物――たとえば、Ted Ts’o、Jon “maddog” Hall、Bruce Perens、Dan Frye、Larry Augustin――かもしれない。イベント会場になったテキサス大学のJ.J. Pickle研究センターは、1999年にIBM社が最初の「秘密」Linuxサミットを開催した場所としても知られている。IBMは、ここで同社のLinux戦略を社内的に発表し、細部を詰める作業を行った。

Linux Foundation、Linux開発の実際に関するデータを公開、開発者は3年で3倍

 Linuxを推進する非営利団体のLinux Foundationは4月1日(米国時間)、Linuxカーネル開発に関する詳細なデータを公開した。Linuxカーネル開発者はこの3年で3倍に増え、支援企業も増えているという。「コンピュータの歴史において、これほど多くの企業、ユーザー、開発者がかかわったプロジェクトはない」とエグゼクティブディレクタのJim Zemlin氏は述べている。

ハウツー:/procディレクトリを活用する

 /procディレクトリは不思議な存在だ。本当に存在しているわけではないのだが、ディレクトリ内を見て回ることができる。ディレクトリ内にある各ファイルの容量は0で、バイナリでもテキストでもないのだが、ファイル属性を確認したりファイルの中身を表示したりすることができる。この特殊な/procディレクトリには、カーネル、プロセス、設定用パラメータなどに関して、Linuxシステムについてのあらゆる詳細な情報がある。そのため/procディレクトリを学ぶことで、Linuxのコマンドの仕組みを学んだり、さらにはシステム管理的なことをいくらか行ったりすることなどができる。

簡易的なLinux用仮想化プラットフォームとしてのLguest

 これまでのところLinuxカーネルのメインラインツリーには3種類のハイパーバイザ(hypervisor)が取り込まれており、まず最初がカーネル2.6.20段階でのKVMで、その次に2.6.23リリースにおけるXenおよびlguestという順番になる。ここで言うハイパーバイザとは、ホストシステム上で複数のオペレーティングシステムを実行させる技術のことである。これら3つの選択肢の中で、操作と実装という観点から見た場合に最も簡単なのがlguestであり、これから仮想化テクノロジの動作する原理を学習したいというユーザに適したオプションだと言えるだろう。

32ビットLinuxで大容量RAMを使う方法

 このところ、多くのマシンが2GBないし4GBのRAMを搭載しているが、所有者たちはある問題に悩まされている。そうしたマシンで32ビット版のGNU/Linuxディストリビューションを実行すると、大容量RAMを活かしきれないのだ。幸いにして、この問題は特定のパラメータをいくつか有効または無効にしたカーネルをインストールするかビルドするだけで解決できる。

ハウツー:自分のシステムに最適なカーネルを構築する

 ディスクの性能を最適化する方法についての記事を書いた後、設定を調整することはシステムの高速化のためにできることの一部に過ぎないというコメントを読者からもらった。つまり、ユーザ自身のハードウェアや必要性にもっとも合うようにカーネルのコンパイルを行なえば、さらにシステムを高速化することができるという指摘だ。カーネルのコンパイルは昔ほど敷居の高いことではなくなっている。最近ではカーネルのコンパイルの手順は簡素化されていて、メニュー形式で提示される選択肢の中から選んだ後、いくつかのコマンドを入力するだけでよくなっている。

今後を照らすLinuxカーネルの動向予報

 どんなソフトウェア製品にせよ、今後のリリースについて計画を立てるにあたって、多くの意志決定者が最初に求めるものの1つがロードマップだ。しかしLinuxカーネルの場合は、以前からそうだったが、ロードマップよりも遅れるのが常である。こうした状況に対処すべく、Linux Foundationは8月15日、Linuxカーネルの動向を知る必要のある開発者や組織にその見通しを知らせるためのLinux Weather Forecast(Linux動向予報サービス)の提供を行うことを発表した。

新規カーネルにおけるワイヤレスサポートの向上

 Linus Torvalds氏が評するところの「-rc7から大きな変更は施されていない」とされるカーネルリリース2.6.22ではあるが、実際には重要ないくつかのアップグレードが施されており、先週末のアナウンスに従えば、新規のワイヤレススタックとFireWireスタックの搭載、および新規のスラブアロケータによるメモリ管理の効率化などが行われている。

イベントレポート:第4回 The Linux Foundation Japan Symposium――Andrew Morton氏がLinuxカーネルの開発動向を報告

 The Linux Foundation Japanは3月13日、オープンソース開発者を対象とするシンポジウム「第4回 The Linux Foundation Japan Symposium」を開催した。この記事では、Linuxカーネル2.6のメインテナーであるAndrew Morton氏の講演を中心に、同シンポジウムの午前中の様子をレポートする。

着実な進歩の道を選択したLinuxカーネル用の仮想化テクノロジ

仮想化テクノロジとは、システムを“仮想化”することによって単一ホストにおける複数システムの同時使用を可能とする技術のことであり、こうした概念自体は固体素子を用いたコンピューティングテクノロジと匹敵するくらい古くから存在している。そして近年、こうした仮想化テクノロジのブームが再燃しつつあり、例えばLinux系の大規模な仮想化プロジェクトでも10を超える団体がそうした活動を進めているところだ。ただしこのテクノロジを実現するには、カーネル、パッチ、ソフトウェアに特殊なカスタマイズを施す必要があるため、現状のLinuxカーネルについては初歩的なOSレベルの仮想化テクノロジが実装されている段階である。