今年は、フリーソフトウェア財団(FSF)が支持する完全にフリーなディストリビューションgNewSenseのバージョン2.0がリリースされたり、Ubuntuが
フリーソフトウェアのみをインストールするオプション(
翻訳記事)を追加したりという動きがあった。そんな中、Red Hatの社員で、
フリーソフトウェア財団ラテンアメリカ(FSFLA)の役員としても知られるAlexandre Oliva氏が、
linux-libreというプロジェクトを進めている。もくろみ通りに事が運べば、100%フリーなディストリビューションの構築を容易にするプロジェクトになるはずだった。だが残念なことに、自由を求める同氏の道のりは、主義主張の違いに阻まれたり、理想より利便性を求める声に押されたりして、難航している。
これまでのところLinuxカーネルのメインラインツリーには3種類のハイパーバイザ(hypervisor)が取り込まれており、まず最初がカーネル2.6.20段階でのKVMで、その次に2.6.23リリースにおける
Xenおよび
lguestという順番になる。ここで言うハイパーバイザとは、ホストシステム上で複数のオペレーティングシステムを実行させる技術のことである。これら3つの選択肢の中で、操作と実装という観点から見た場合に最も簡単なのがlguestであり、これから仮想化テクノロジの動作する原理を学習したいというユーザに適したオプションだと言えるだろう。
ディスクの性能を最適化する方法についての記事を書いた後、設定を調整することはシステムの高速化のためにできることの一部に過ぎないというコメントを読者からもらった。つまり、ユーザ自身のハードウェアや必要性にもっとも合うようにカーネルのコンパイルを行なえば、さらにシステムを高速化することができるという指摘だ。カーネルのコンパイルは昔ほど敷居の高いことではなくなっている。最近ではカーネルのコンパイルの手順は簡素化されていて、メニュー形式で提示される選択肢の中から選んだ後、いくつかのコマンドを入力するだけでよくなっている。