長期サポート版となる「Linux 5.10」が登場
Linus Torvalds氏は12月13日、最新のLinuxカーネル「Linux 5.10」公開を発表した。2026年まで最低5年間バグ修正などのサポートを行う長期サポート(LTS)版となり、多数の機能が加わっている。
Linux 5.10は10月に公開されたカーネル5.9に続くもので、7回のリリース候補(RC)版公開を経ての最新版となる。
Ext4ファイルシステムでは、ファストコミットモードとして新しいジャーナル手法を用いることでfsyncとメタデータオペレーションを効率化した。DAX/DIOモードにおけるファイル上書きも最適化した。ファイルシステムでは、XFSで2486年までのタイムスタンプをサポートした。
Linux 5.1で導入したio_uringでは、APIを変更してホストアプリケーションが一部のファイル記述子にアクセスするなどの制御が可能になった。
process_madvise(2)システムコールを導入した。メモリ利用に関するアドバイスを与えるmadvise(2)と同じだが、ターゲットプロセスのpidfdを要求するもので、現時点では限定的なメモリのヒントに制限されている。
間接関数呼び出しに代わって直接呼び出しを可能にするコードパッチが加わった。関数ポインタに柔軟性をもたらし、Spectre脆弱性問題に対応するrepotlineで性能の影響を受けるケースで性能を改善するという。
このほか、ARMのMemory Tagging Extensioのサポートなど、ハードウェア側でも多数の強化が加わった。なお14日には、ストレージ関連で2件のバグを修正したLinux 5.10.1が公開されている。
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