「Linux 5.19」が公開、次期版はLinux 6系へ
Linus Torvaldsは7月31日、最新のLinuxカーネル「Linux 5.19」公開を発表した。
Linux 5.19は、5月末公開のLinux 5.18に続く最新版。8回のリリース候補(RC)を経ての公開となった。なお、Torvalds氏は「個人的な話」と前置きした上で、「リリースをarm64ベースのノートPCで行った(そして、現在この文章も書いている)。ずっと以前からやりたかったことで、やっと現実のものになった」と記しており、M1チップベースのApple Macで動作するLinuxを開発するAsahi Linuxチームに謝辞を記している。
プロセッサでは、LoongArchが新しいCPUとしてマージされた。ARMv9 Scalable Matrix Extension(SME)ビルドのサポートも加わった。RISC-V 64-bit(RV64)上の32-bit(RV32)バイナリもサポートした。AMDのSEV(Secure Encrypted Virtualization)-SNP(Secure Nested Paging)、IntelのTrust Domain Extensions(TDX)もマージされた。ファイルシステムとストレージでは、Btrfs、Xfsなどのファイルシステムを強化した。Apple SoC NVMeドライバーの早期サポートなども加わった。カーネル5.1で加わった非同期I/Oのio_uringでも、パススルーのサポートなど細かな強化が加わった。
ネットワークではBig TCPのサポートが加わった。TCP/IPスタックのオーバーヘッド削減を目的としており、IPv6 Jumbogram拡張ヘッダにより現在の64KB TSO/GROパケット制限サイズを上回ることができるとしている。また、無線通信にLEDを用いるpureLiFiのワイヤレスドライバもサポートした。このほかにも多数の強化が加わっている。
なおTorvalds氏は次期版(5.20)について、「大きな数字に混乱するのではという心配を感じ始めたので、6.0と呼ぶことになりそうだ」と記している。
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