「Linux 5.14」が公開

Linus Torvalds氏は8月29日、最新のLinuxカーネル「Linux 5.14」公開を発表した。コアスケジューリングのマージなどが特徴となる。

　Linux 5.14は6月に公開されたLinux 5.13に続く最新版。7回のリリース候補（RC）リリースを経ての公開となった。Torvalds氏は公開を告げるメーリングリストで、自身がLinuxカーネルを初めて公開してから8月25日で30周年を迎えていたことから、「まだパーティや仮面舞踏会などの30周年記念イベントで忙しいようだが、ある段階で派手な装飾や花火、シャンペンに飽きるだろう」「お祭り騒ぎはあと数週間続くだろうが、一休みが必要かもしれない。その時のために、新しいカーネルを公開する。試して、楽しんでほしい」などと記している。

　待望のコアスケジューリングが加わった。ハードウェアのSMT（同時マルチスレッド）を安全に活用できるもので、prctl()システムコールで管理できる。memfd_secret()システムコールがマージされた。ユーザー空間プロセスがアクセスできないメモリ領域を作成できるもので、カーネルのアクセスもできない秘密の領域となる。コントロールグループ（cgroup）向けにCPU時間（帯域）を割り当てるCFS帯域コントローラーを強化した。cgroupに”kill”パッチが加わった。

　RISC-Vアーキテクチャのサポートを強化し、メモリマッピングのTransparent Huge Pages、メモリセーフのKFENCE（Kernel Electric-Fence）などの機能が利用できるようになった。このほか、AMD Yellow Carp、AMD Beige Goby、Intel Alder Lake Pの対応などハードウェア側でも強化が加わっている。

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