KDE 4.2に向けた10の提案

 7月にリリースされたKDE 4.1は、非常に多くの改善翻訳記事)がなされ、筆者が使った中で最も優れたデスクトップに仕上がっている。しかし、改善の余地がまったくないわけではない。来年の2009年にはKDE 4.2がリリースされるだろう。そこで、将来のKDEをグッとよくするであろう改善点を10点提案する。開発者の方には、是非検討してほしい。

正式リリースを間近に控えたLyX 1.6

 今月、LyX 1.6のRC1が公開された。ワードプロセッサとマークアップエディタとの中間的な位置付けにあるLyXは、専門的な学術文書を書く人々のニーズを満たすべく、書式やレイアウトよりも内容に重点を置いた編集が行えるように作られている。そのため、ワープロにある従来のWYSIWYG式編集機能の一部は使えない。LyXについては以前翻訳記事)にも取り上げた()ので、ここではバージョン1.6で強化された部分に注目して解説する。

セマンティックデスクトップの導入を図るNepomukとKDE

 テクノロジの動向に敏感な人なら、セマンティックデスクトップについて聞いたことがあるだろう。コンピュータ上の情報に注釈を付けたり共有したりするためのデータレイヤのことだ。だが、セマンティックデスクトップが遠い未来の話ではなく2008年末に登場予定であることは知らないかもしれない。その折には、Nepomukプロジェクトと、そして最初はおそらくKDEの成果を利用して、セマンティックデスクトップの構想が実現されることになるだろう。

2つのデスクトップ検索ツールBeagleとTrackerの比較

 BeagleおよびTrackerプロジェクトからは、ローカルマシン中のファイル群を事前にインデックス化しておくことで高速なファイルシステム検索を可能にするツールが提供されている。どちらのプロジェクトも当初はGNOMEデスクトップでの使用を想定していたが、最近はデスクトップ中立を指向するようになっており、KDEその他のデスクトップ環境への対応も進められているところだ。今回はこれら2つのツールの操作性とパフォーマンスを、前後2回のレポートに分けて比較することにしよう。

ゲームプレイをGLCで録画する

 筆者ならずとも、ゲームファンなら誰でもあの栄光の瞬間を――あのマルチフラグショットを、S字カーブでのスーパードリフトを――仲間と共有したいと思うはずだ。だが、フリーやオープンソースのゲームで、ゲームプレイを記録してくれるものは少ない。まして、ゲームから他へのエクスポートまで面倒を見てくれるものはほとんどない。そこで、 GLC の出番となる。このオーディオ/ビデオキャプチャツールはさまざまな方法での記録が可能であるほか、ブログやビデオ共有Webサイトへアップロードするためのエンコード機能まである。

Firefoxのブックマーク機能に代わるJeteyeエクステンション

 Firefoxのデフォルトのブックマーク機能にはかなりの制限がある。対象はURLのみで、その整理にはタグとフォルダしか使えない。一方、「ブックマークを超強力化する」という触れ込みで登場したJetArkのエクステンション(拡張機能) Jeteye は、最先端のWebブラウジングにふさわしい機能を備えているという。実際に使ってみたところ、メモ帳アプリケーション Basket のコンテナに似た「jetpak」のおかげで、Jeteyeはおおよそ触れ込みどおりのものになっていた。大きな欠点はさまざまな要素を保存できる割にはデータ編集の機能が貧弱なことで、競合エクステンションの ScrapBook と比較すると特にその不便さが目につく。

Marble、エンジンはGoogle Earthに匹敵

 Free Software Foundationの優先リストは、フリーソフトウェアが競争力を持つために必要なアプリケーションの一覧だが、そこに掲載されている項目の1つが、KDE 4.1に同梱されている Marble バージョン0.6の登場によって削除できそうだ。今はまだGoogle Earthの敵ではないが、基盤となるエンジンは将来のバージョンで好敵手となりうる力を備えている。あと必要なのは、具体的なデータ、ビューの追加、フリー・オンライン・リソースとの統合だ。

デスクトップを録画するLinux用ツール

 Linux上で利用可能なスクリーンキャスト用アプリケーションは数多く存在する。そのようなアプリケーションを使えば自分のデスクトップ上で起こっていることすべてをビデオとして録画することができるので、ブログやチュートリアルで使用するためのデモを作成したり、プロジェクトの説明に静止画以上の効果を持たせたりするのにうってつけだ。

米IBM、Microsoftフリーデスクトップ提供目指し、Ubuntu、Red Hat、Novellと提携

 米IBMは8月5日(米国時間)、Microsoftフリーの(Microsoft製品を含まない)デスクトップ実現に向け、英Canonical(「Ubuntu」)、米Red Hat、米NovellのLinuxディストリビューター3社と提携した。3社のLinux OS、IBMのLotusアプリケーションなどを組み合わせたデスクトップPCを開発する。2009年投入を目指すという。

もう一息のGoogle Gadgets for Linux

 Windows版のGoogle Desktopは、2005年にバージョン2がリリースされ、今やガジェットを表示するサイドバーを装備しているのに、Linux版は2007年6月にリリースされたバージョン1のままで、インデックス作成機能と検索機能しか装備しておらず、見た目の魅力を欠いていた。この状況がとうとう変化した。先頃公開されたGoogle Gadgets for Linux(GGL)はWindows版とLinux版のギャップを埋めるものである。GGLを使えば画面上でガジェットをいくつでも実行できる。一応そのはずだが、まだ解決すべき点があり、すべてが完璧に動くわけではない。

SliTaz:超小型Linuxディストリビューション

  SliTaz は新しい超小型GNU/Linuxライブディストリビューションだ。RAM(最低128MBを推奨)から実行するように設計されていて、ハードディスクまたはUSBメモリへのインストールもできる。最新版のSliTaz 1.0はたった24.8MBと小さいながらも、選りすぐりのアプリケーションを軽量なデスクトップ上で利用することができる。ユーザのデータ/設定は永続的なメディア上に保存することも可能だ。またサポートしている追加ダウンロード用パッケージは400を越える。

初心者がつまずくUbuntu 10の問題点

 CanonicalのUbuntuはほかのプラットフォームの利用者が乗り換えてくるほどの大成功を収めているが、それでも初心者を困惑させるような問題点もいくつか残っている。実際、Canonicalのフォーラムを覗いてみたところ、新たな利用者の大半がつまずいている問題点、つまり長期的にUbuntuの採用を妨げている問題点が10件ほど見つかった。それらはUbuntuを利用する際のあらゆる面に及ぶが、そのいずれもが2つの特徴を共通して持っている。すなわち、いずれも「Linuxを試してみたけど使えない」と言いたくなるほどの大きな問題であり、その一方でいずれもが解決可能な問題なのだ。