KDE 4.2に向けた10の提案
テーマのインストールを簡単に
GNOMEデスクトップで筆者が最も気に入っている点は、新しいテーマのインストールが簡単なことだ。通常、テーマを構成ダイアログにドラッグ&ドロップするだけで使えるようになる。
KDE 4では構成がKDE-Look Webサイトに統合されており、Plasmaのテーマをスマートにインストールすることができる。しかし、ウィンドウの境界とシステムのテーマは、現状では、各ディストリビューションのリポジトリーからパッケージをダウンロードするか自分でコンパイルしなければならない。これを、Plasmaのテーマと同じようにKDE-Lookのリンクで直接インストールできるようにしてほしい。
3Dや全画面を使うアプリケーションが動くとき、自動的にデスクトップ効果を止める
KDE 4のデスクトップ効果はトップクラスだ。しかも、透明化から揺れるウィンドウに至るまで、あらゆる種類を備えている。しかし、ゲーマーならご存じだろうが、デスクトップ効果が3Dゲームのパフォーマンスに影響することがある。もちろん、ビデオRAMを大量に積んだビデオ・カードがない場合の話だ。
しかし、コンピューター・ゲームのフレーム・レートに影響しないようにデスクトップ効果を調整しろといっても、それは難しいだろう。そこで、KDEがデスクトップ効果が不要なことを検知して一時的に停止させ、システムのビデオ・カードのリソースをそれを必要としているタスクに振り向けるようにすることはできないだろうか。たとえば、フルスクリーンの3Dゲームが動いているときは、デスクトップ効果は使わないから止めておくべきだ。また、フルスクリーンではなくアクティブ・ウィンドウで動く場合も、デスクトップ効果はゲームのパフォーマンスに影響することがあるから止めるべきだ。
この提案はしばらく前にKDEに送ってあるのだが、KDE 4.1には採用されなかった。
オンライン・インストーラーで提供するPlasmoidを多彩に
KDE 4.1では、Add WidgetsメニューにあるInstall new widgetsからPlasmoidをインストールすることができる。しかし、残念ながら、インストールできるのはPicoNetだけだ(本記事執筆時点)。このメニューにもっと多くのPlasmoidがあればと思う。そうすれば、利用者が自分でKDE-Lookからダウンロードしてコンパイルしなくても済む。
RSSニュースリーダーのPlasmoidをデフォルトに
KDE 4の初期のビルドには、ニュース・ティッカーPlasmoidと並んでRSSニュースリーダーPlasmoidがPlaygroundにあった。しかし、筆者がインストールしたKDE 4.1には残念ながら見あたらず、リポジトリーにもなかった。ニュース・ティッカーと似たようなものだが、ニュースの見出しがリストになっていて見やすい。あのRSSニュースリーダーがインストールのデフォルトとして復活したらいいのだが。
Plasmoidを整列させるための補助線
デスクトップに置くPlasmoidが多くなると、位置合わせが厄介になる。Plasmoidを移動したりサイズを変更したりするとき、ほかのPlasmoidと位置を合わせるための補助線があると便利だ。
キックオフ・メニューのアプリケーションを名前順に
キックオフ・メニューにアプリケーションが並んでいるが、その並び順がわかりにくいことがある。名前ではなく説明のアルファベット順になっているからだ。たとえば、Firefoxを探すとき、普通なら、名前のアルファベット順としてFのところを探そうとするだろう。しかし、KDE 4.1では説明のアルファベット順になっており、Firefoxの説明が「Web Browser – Firefox」であるため、Wの部分を探さなければならないのだ。
KDE 3シリーズでも同様だったが名前順に変更することもでき、この方がはるかに便利だった。このオプションを復活させてほしい。そうでないと、筆者が思いつく限りでは、アプリケーション・メニュー自体を作り直すしか方法がない。少々時間がかかるだろうがKMenuEditを使って作り直すのだ。この提案もKDEのバグ・データベースに送ってあるが、まだ実現されていない。
お気に入りアプリケーション・リストのカスタマイズ
KDE 4のキックオフ・メニューにはお気に入りリストがあり、ここにアプリケーションを入れておくと起動の手間が省けて便利だ。しかし、その並び順を変える方法が見つからない。どうしても並び替えたいときは、すべてのアイコンを削除し、表示したい順に再度追加していくしかない。アイコンをドラッグ&ドロップして順序が任意に変更できるようにしてほしい。あるいは、KMenuEditにそうした機能を追加してもいい。ささいな不満だが。
仮想デスクトップごとに壁紙を変えたい
仮想デスクトップごとに壁紙を変える方法はあるのだろうか。筆者がLinuxを使い始めた頃、2001年頃のことだが、壁紙は仮想デスクトップごとに変えられるのが普通だった。デスクトップを区別しやすいからだ。この機能がKDEで復活することを期待したい。
パネルの非表示と自動非表示
すでに提案されていることだが、敢えてここでも取り上げたい。というのは、これはKDE 4で最も復活させてほしい機能に違いないからだ。KDE 3シリーズまでは、矢印をクリックするとパネルを非表示にできたし、使っていないときは自動的に閉じるように設定することさえできた。この機能を復活させてほしい。
もっと高速に
KDEの高速化に力を入れてほしい。現行のKDE 4.1も高速かつ効率的なデスクトップであり、KDEの開発者たちはこの分野で素晴らしい仕事をしている。しかし、改善の余地は常にあるものだ。KDEの実行に必要なRAMが少なくなれば、それだけ多くの人がKDEを使えるようになるのだから。
現状でもKDEは十分な機能を備えた素晴らしいデスクトップだ。しかし、開発者たちがKDE 4.1に施した改善の量は驚くほど多く、それを考えると今後のリリースが楽しみだ。改善に向けたご意見があったら、アイディアを出すという形でKDEプロジェクトに参加してみてはいかがだろうか。
Jeremy LaCroix ITの達人。余暇に執筆活動をしている。