意欲的な変更点も多数見られるFedora 12新機能レビュー

 日本でもユーザーが多いLinuxディストリビューションであるFedoraの新版、「Fedora 12」がリリースされた。Fedora 12ではカーネルとしてLinux 2.6.31を搭載し、WebCamのサポート強化、次世代ビデオコーデック「Ogg Theora 1.1」の採用、オーディオ機能や電源管理の改善が行われている。今回はこのFedora 12の変更点のポイントを紹介しよう。

起動時間を短縮した「Fedora 11」ベータ版リリース

 Fedora Project(米Red Hat支援)は3月31日、Linuxディストリビューションの次期版「Fedora 11」(開発コード名「Leonidas」)のベータ版を公開した。カーネルモードセッティング(KMS)によるブートプロセスなどが強化された。プロジェクトのWebサイトよりライブCD/DVD/USBなどのイメージファイルを入手できる。

Amahiが提供する高度で操作性に優れたホームネットワーク環境

 ネットワーク接続ストレージ(NAS:Network-Attached Storage)用デバイスの中には、ネットワークストレージ機能は当然のこととして、VPNアクセス、カレンダ/スケジューリング、wikiを始め、iTunesサーバなどの追加機能を装備しているものも多い。そして本稿で紹介するAmahi Linux Home Serverは、これらの諸機能プラスアルファをFedora 9ベースのNASマシンにて統合することを目指したオープンソース製サーバだ。

基盤の重要性を再認識させるディストリビューション、Fedora 10

 Fedora 10のFeature Listには、一見してこれはと思わせるような要素は何もない。実際、そのほとんどは、要するに、インフラストラクチャーの改善、既知の問題の改修、パフォーマンスの改善であり、さもなければ将来に向けた整備だ。しかし、基盤部分の良否はコンピューターを使用するあらゆる場面に現れるものであり、Fedora 10は使い込むほどに、もちろん1つや2つの小さな問題はあるが、Fedora最強のリリース、将来を伺わせるリリースだという思いが強くなる。

Fedoraを最新版にアップグレードする4つの方法

 Fedora 10のリリースが予定されている本日(11/25)、どうやってアップグレードしようかと考えている人も多いだろう。本格的なアップグレードはせいぜい半年に一度なので、細かい手順は忘れてしまいがちだ。また、新しいリポジトリの参照を中心としたFedoraのアップグレード手順は、新たなリリースが出てもリポジトリ自体は変わらずにその中身だけが変わるDebianの手順などに比べると複雑である。だが、こうした変動性にはもっともな理由がある。Fedoraのアップグレードは少なくとも4つの方法で可能であり、それぞれに一長一短があるからだ。

linux-libreプロジェクト、なかなか賛同を得られず

 今年は、フリーソフトウェア財団(FSF)が支持する完全にフリーなディストリビューションgNewSenseのバージョン2.0がリリースされたり、Ubuntuがフリーソフトウェアのみをインストールするオプション翻訳記事)を追加したりという動きがあった。そんな中、Red Hatの社員で、フリーソフトウェア財団ラテンアメリカ(FSFLA)の役員としても知られるAlexandre Oliva氏が、linux-libreというプロジェクトを進めている。もくろみ通りに事が運べば、100%フリーなディストリビューションの構築を容易にするプロジェクトになるはずだった。だが残念なことに、自由を求める同氏の道のりは、主義主張の違いに阻まれたり、理想より利便性を求める声に押されたりして、難航している。