GobuntuがUbuntuのインストールオプションに
Ubuntuの開発チームとコミュニティマネージャJono Bacon氏によると、開発リソースを過剰に消費している派生プロジェクトのGobuntuが、フリーソフトウェアだけをインストールするUbuntuのインストールオプションへと格下げされるという。
プロプライエタリなコンポーネントを完全に排除した派生版を提供するために、Ubuntuの開発者たちがGobuntuプロジェクトを立ち上げてほぼ1年になる。Gobuntuは、フリーソフトウェア財団(FSF:Free Software Foundation)の方針に厳密に従ったディストリビューションになるはずだった。フリーソフトウェアのライセンスでは、ユーザが何の制限も受けずにソースコードを参照したり好きなように変更したりできる。一方、プロプライエタリなライセンスでは、自分のコンピュータでできることに制限が課せられる。そうした制限を受けたくないという理由から、プロプライエタリなソフトウェアの実行を拒否する人は少なくない。
デフォルト設定のUbuntuには、バイナリでしか提供されないファームウェア・コンポーネントやドライバなど、フリーでない要素がいくつか含まれるが、Gobuntuではこうしたコンポーネントが取り除かれている。Gobuntuを維持していく十分なリソースがなかったとはいえ、Ubuntuがこのプロジェクトを完全に見捨ててしまうことはないだろう。
Bacon氏が強調していたのは、フリーソフトウェアだけで構成されるディストリビューションのサポートをUbuntuプロジェクトが今後も継続するという点だった。とはいえ、10月下旬にリリース予定のUbuntu次期バージョン(コードネームはIntrepid Ibex)には、フリーソフトウェアしかインストールされないオプションが用意され、Gobuntuコンポーネントのすべてのアップデートは本流であるUbuntuに吸収されることになるだろう。
Nikolai SivertsenはOSのチューニングを楽しむ熱烈なLinuxユーザ。