「Fedora 12」アルファ版リリース

 Fedora Projectは8月25日、Linuxディストリビューションの最新版「Fedora 12」(開発コード名「Constantine」)アルファ版を公開した。正式版に搭載される機能をすべて盛り込んだ唯一のアルファとなる。同団体のWebサイトより入手できる。

 開発者向けの新機能としては、RPMパッケージの圧縮形式がこれまでの「Gzip」から「XZ」に変更された点がある。これによってパッケージの容量を削減し、ダウンロード時間を短縮できるという。また、ファイルシステムは「Fedora 11」よりExt4を採用しているが、最新版ではGRUBでのExt4サポートが追加された。アプリケーションのクラッシュを自動報告する「Automatic Bug Reporting Tool(ABRT)」も加わっている。

 仮想化機能「KVM」も強化された。qcow2形式のディスクイメージを採用することによってI/O性能が改善され、KSM(kernel shared memory)によってメモリ使用量を削減できるという。

 このほか、「NetBeans 6.7」「PHP 5.3」などが最新版に更新されている。

 デスクトップ環境は「KDE 4.3」と「GNOME 2.27.90」ベータ版がバンドルされている(GNOMEについては正式版ではバージョン2.28になる予定)。また、パッケージ管理ツール「PackageKit」では、Webブラウザからアプリケーションをインストールできるプラグインが新たに提供される。そのほかモバイルブロードバンドを容易に利用できる「Network Manager Mobile Broadband」を新たに導入、電源管理機構も強化された。動画コーディック「Ogg Theora」も最新版「Thusnelda」(開発コード名)が搭載され、高品質で動画を楽しめるという。

 Fedora 12は今後、バグ修正にフォーカスしたベータ段階に移る。正式版は2009年11月に登場予定だ。

Fedora Project
http://fedoraproject.org/