Document Freedom Dayは1日だけのイベントにあらず

 今日(3月26日)は記念すべき第1回Document Freedom Day(DFD)である。DFD WebサイトのAboutページによると、今年で5年目となるSoftware Freedom Dayにならい、DFDは「フリードキュメントフォーマットとオープン標準全般の重要性を社会に訴える」ための日とされている。つまり、1日祝ってそれで終わりなのではなく、世界中に草の根運動を広めるための起爆剤となることが期待されている。目的は、あくまでも、年間を通じて継続される諸活動(DFD以前からの活動も多い)に世間の注意を喚起することにある。

米MicrosoftがApache POIの開発作業に貢献、OOXMLの互換性を強化へ

 米Microsoftは3月25日(米国時間)、オープンソース団体Apache Software Foundationのファイルフォーマット互換性のためのプロジェクト「Apache POI」の開発に貢献していくことを発表した。オープンソースソフトにおける「Microsoft Office」製品との互換性を強化するとしている。Microsoftはこれにあたり、欧州の大手オープンソースSI事業者、伊Sourcesenseと組む。

LSBの最新リリースは、引き続き共通の未来を目指す

 Linux Standard Base(LSB)プロジェクトの目的は、ディストリビューション間でオペレーティングシステム実装に微妙な違いがあっても、そのためにアプリケーション動作に支障をきたすという事態をなくすことにある。先月リリースされたLSB 3.2もこの目的を追いつづけていて、互換性をさらに高めるとともに、マルチメディアとスクリプト言語に新しい標準を取り入れている。

ISOはOOXMLを標準規格候補から降ろすべきではないか

 MicrosoftによるOffice Open XML(OOXML)のISO標準化申請を受けてISO加盟各国の代表機関が出したコメントに対し、国際的な標準化団体ECMA(European Computer Manufacturers Association:欧州電子計算機工業会)が最近になって回答を出した(ただし、実際の2,293ページに及ぶ回答書の内容は非公開)。このECMAによる提案内容はジュネーブで開かれるBRM(Ballot Resolution Meeting)で議論され、その後、各国の代表機関は当初の投票結果を見直すことができる。しかしMicrosoftの対応からは、1年以内にOOXMLの4つの仕様を実装して相互運用を可能にしたうえで各仕様をクローズ化しようとの意図が明確に読み取れる。状況がどうあろうと、このような欠陥仕様を国際標準化すべきではない。

OOXMLに反対するKOfficeの立場は政治的ではなく実際的~KOffice開発者

 GNOME FoundationがODFを切り捨てMicrosoftのOOXML形式を支持していることを非難した最近の記事翻訳記事)の中で、KDEはその反証として示されている。またRichard Stallman氏もKDE Newsの記事を引用して「多数のKDE開発者がOOXMLの拒否を宣言している。GNOME開発者もそうするべきではないか」と提案している。またつい最近では、広く参照されているITWireの記事も、同じ記事を指してKDEはOOXMLに反対して自らの主義主張を貫いたと報じている。しかし当の開発者に聞いたところ、実際のところは上記のような報道とは微妙に異なるようだ。

Webサービスの基礎知識

 物理的に離れたコンピュータのプログラム間で情報を交換できることは、今日の企業における標準的な要件の1つだ。そしてリモートリソースへの最も一般的なアクセス方法が、HTTPによるサーバからクライアントへのHTMLファイルの転送、要するにWebサイトである。こうした情報伝達のやり方が功を奏している理由は、シンプルで身近に利用できるテクノロジと標準規格が使われている点にある。しかし、Webサイトには根本的な限界がある。Webページの情報を理解できるのは人間だけで、コンピュータにはそれができないことだ。

GNOME/OOXMLポッドキャストにさほどの対立はなかった

 電話回線に技術的な問題が発生したにもかかわらず、GNOME FoundationのJeff WaughとBoycott Novellサイトの共同設立者であるRoy Schestowitzが参加したLinux.comのライブポッドキャストは、Microsoft OfficeのOpen XML(OOXML)文書フォーマットをECMA標準にしようとする活動へのGNOMEの関与を議論したがっている多くの聴衆を集めた。 BlogTalkRadioでのLightning StrikesショーでRod Amisがホスト役を務め、Linux.comの編集長であるRobin Millerと私が質問を行った議論により、この問題における両者は、以前に思われていたより近い立場であることがわかった。

GNOME FoundationによるOOXMLの擁護とそれを取り巻く波紋

 GNOME Foundationに対しては昨今、OpenOffice.orgやKOfficeなどのフリーソフトウェア系オフィスアプリケーションで利用されているOpen Document Format(ODF)というオープン標準を切り捨てる形で、MicrosoftのOffice Open XMLフォーマット(OOXML)のECMA標準としての採用に肩入れをしているとする批判が展開されており、先日同Foundationから出されたステートメントは、こうした批判に反論するためのものである。この論理的反論としてのステートメントが、沸き上がった感情論や背信者としての批判を和らげる方向に機能するのかは、神のみぞ知るといったところであろう。

Open XMLのISO承認獲得に立ちはだかるハードル――3,522の条件クリアが必要

 宗教改革の父・マーティン・ルター(Martin Luther)は、「95箇条の論題」をドイツ国内のカソリック教会に張り紙して回ったという。米国Microsoftが国際標準化を目指している文書フォーマット「Office Open XML(OOXML)」には、ルターによる95件の反対意見など問題にならない険しい道のりが待っているようだ。

OpenDocument Foundationに何が起こっているのか?

 OpenDocument Foundationは5年前、「オープンな標準規格策定プロセス」においてOpenDocument形式を推進することを主な目的としてGary Edwards氏Sam Hiser氏Paul "Buck" Martin氏(marbux)によって設立された。しかしここに来て針路を変更し、逆戻りし始めた。ODFという名前が付いているのにも関わらず、現在ではW3CのCompound Document Formatを支持している。なぜこのような針路変更が起こったのかは、ちょっとした謎だ。