仮想サーバの管理プロファイル、標準化団体DMTFがCIMベースで策定――VMwareやIBMなども策定に参加、自社製品でサポートへ

 システム運用管理の標準化団体DMTF(Distributed Management Task Force)は先ごろ、仮想サーバ管理を支援する標準プロファイルのセットをリリースした。

 標準プロファイルは5種類あり、そのいずれも、管理情報を相互運用可能な形でやり取りできるようにするCIM(Common Information Model)をベースとしている。プロファイル開発を担当したDMTFのSVPC(System Virtualization, Patitioning and Clustering)作業グループは、CIMをベースとすることで、新しい標準や仕様を既存の管理ツールに組み込む作業が容易になると説明している。

 DMTFのプレジデントを務めるウィンストン・バンプス(Winston Bumpus)氏は、同プロファイルの目的が仮想環境の簡素化を推進し使いやすさを高めることにあるとしたうえで、その支援にDMTFが積極的に取り組んでいることを強調した。

 DMTFの Webサイト で入手可能なこれらのプロファイルは、仮想コンピュータ・システムの発見、仮想システムのライフサイクル管理、仮想リソースの作成・修正・削除、仮想システムの健全性とパフォーマンスの監視といった機能に対応する。

 例えば「System Virtualization Profile」は、仮想コンピュータ・システムとそのリソースを操作するうえで必要なサービスを提供する。一方、「Virtual System Profile」では、仮想システムの起動と停止、一時停止に対応する基本的な制御動作を定義しているという。

 なお、残る3つのプロファイルは、「Generic Device Resource Virtualization Profile」、「Resource Allocation Profile」、「Allocation Capabilities Profile」である。

 これらのプロファイルの開発には仮想化ソフトのメーカーと管理製品のベンダーが参加しており、各社は現在、DMTFの標準を自社製品に組み込む作業に取り組んでいる。

 その1社である米国VMwareの技術開発担当バイスプレジデント、ステファン・ヘロッド(Stephen Herrod)氏は、DMTFの発表声明の中で、次のように述べている。

 「ユーザーを特定ベンダーやプラットフォームに縛り付けるようなライセンス契約が導入される事態の回避に向け、各種の標準を活用する必要があるという認識は、エンドユーザーとソフト・ベンダーの双方で以前から明確になっていた。当社がDMTF SVPC作業グループに参加したことは、オープンな業界標準に対する当社の前向きな姿勢をあらためて示すものだ」

 VMware同様、米国IBMもDMTFの技術を自社の仮想管理製品に組み込む作業を進めている。IBM System Softwareのディレクター、レベッカ・オーステン(Rebecca Austen)氏は、「DMTFの仮想化モデルは、異機種環境における物理リソースと仮想リソースの管理を簡素化し拡張することで、データセンターの標準化に貢献する。当社も、System Director Virtualization Managerにこれらの標準案を積極的に実装している」との声明をDMTFと共同で発表した。

 DMTF SVPC作業グループは来週、カリフォルニア州サンタクララでメンバーのみの会合を開き、同プロファイルをベースにした製品の相互運用テストを実施する予定だ。CIMシステム仮想化モデルについてのホワイトペーパーは、DMTFの サイト で入手することができる。

(Denise Dubie/Network World オンライン米国版)

DMTF(Distributed Management Task Force)
http://www.dtmf.org/

提供:Computerworld.jp