ODFかOpen XMLか――ニューヨーク州がオフィス文書フォーマットを近く決定

 オフィス文書の共通ファイル・フォーマットに関する議論が続くなか、米国ニューヨーク州はまもなく、州政府機関のITシステム全体に採用するXMLベースのオフィス文書フォーマットを、ODF(Open Document Format for XML)とOpen XML(OOXML)のどちらかに決定する予定だ。

 ニューヨーク州の Webサイト では、特定のドキュメント形式を同州が採用するべきか否かについての一般意見を求めており、意見収集は12月28日まで続けられる予定である。同州によれば、ここで得られた意見を参考にして今後の方針を決定する考えだという。

 ニューヨーク州議会は今年8月、同州のCIO兼テクノロジー局長であるメロディ・メイベリー・スチュアート(Melodie Mayberry-Stewart)氏に対し、電子文書の作成/保守/アクセスに関するベンダーの中立性や相互運用性の確保に向けて同州がどう取り組むべきか、幅広く情報/意見を収集するよう要請していた。

 ニューヨーク州に加え、マサチューセッツ、ミネソタ、テキサスなどの諸州も、政府機関のITシステムへの特定ドキュメント形式の採用を検討している。

 オフィス文書の共通ファイル・フォーマットについては、ODFかOpen XMLのどちらを採用すべきかという議論が2008年も続くことが予想されるが、2007年は両陣営にとって多難な1年だったと言える。

 米国Microsoftは今年、標準化団体ECMAを利用してOpen XMLの標準化プロセスを早めようとしたが、国際標準化機構(International Organization for Standardization:ISO)が今年9月に同機構での標準化を却下している。このときは、標準化承認の最終段階で、Microsoftの主張に好意的な人物を重要なポストに配置し、投票を有利な方向へ運ぼうとしたことに対して苦情が殺到した。

 一方、ODF陣営のほうでも、ODFの推進を目的に設立された業界団体OpenDocument Foundationが10月にODFへの支持を取り下げ、CDF(Compound Document Format)の支持に回っている。

 2007年末現在、米国IBM、米国Sun Microsystems、米国Googleなどの大手ベンダーはODFを後押ししているが、Microsoftは依然としてOpen XMLを推進している。

(Elizabeth Montalbano/IDG News Service ニューヨーク支局)

ニューヨーク州
http://www.ny.gov/

提供:Computerworld.jp