FOSSコミュニティによく似た、学術分野における「オープンアクセス運動」

 FOSS(フリー/オープンソースソフトウェア)は、学術的な自由という理念と、何ものにも妨げられることのない情報交換という理念とに端を発するものであり、もともと学界からの影響を色濃く受けた考え方だが、この5年間に渡り逆にFOSSから学界に影響を与えているという。FOSSは今や、学界における「オープンアクセス運動」のモデルにもなっているのだという。オープンアクセス運動は、研究者に対しても一般大衆に対しても学術的な資料を制限なく閲覧可能にすることを促進することを目的とした運動だ。

Gartner、グリーン・グリッドの活動を批判――「会員企業の利己的な利益追求が、グリーン化推進を阻む」

 米国Gartner Groupは、グリーン化を推進するIT企業団体「グリーン・グリッド」について、「もっと活動範囲を広げ、積極的な法制化運動を展開すべきだ」と批判するリポートを発行した。Gartnerは会員企業による利己的な利益の追求が、グリーン化活動を阻む可能性があるとの懸念も示している。

DevelopSpace――オープンソースの理念で進める宇宙開発

 宇宙開発マニアにて実際の航空宇宙エンジニアであるPaul Wooster氏が提唱しているのは、宇宙開発用の技術をオープンソース形態で開発することであり、これこそが宇宙工学の学位を持たない人間がこの分野に参加する最も簡単な方法であるという発想に基づいている。そのためにWooster氏が設立したのが、オープンソースの理念に従って運営されるDevelopSpaceというコミュニティであり、その活動目的は様々な人々の持つスキルを共有することで宇宙開発の可能性を広げることにある。

有毒なコンピュータ廃棄物の不正輸出が拡大中

 あなたの使用済コンピュータ機器は廃棄後どうなるかご存じだろうか。その答えには驚かされるかもしれない。というのも、あなたはリサイクルに出したつもりであっても、そのような古いハードウェアは国際法を完全に違反して発展途上国に向け出荷されることも多いというのだ。その後、利用価値のある部分は――安全対策なしに――地元住民によって日に何セントかを得るために取り出される。そして地元住民たちは、鉛、ベリリウム、水銀、カドミウム、臭素化難燃剤などの様々な有害物質にさらされているのだ。

打ち上げ再開にこぎつけたFlightLinuxプロジェクト

 FlightLinuxプロジェクトの活動再開に際してPatrick Stakem氏の抱いている要望は、同プロジェクトは決してNASAのロケット技術者だけに特化したものではなく、そのことを広く世間で知ってもらいたいということだ。これは過酷な宇宙空間での使用に耐えるよう特殊な堅牢化を施されたディストリビューションであり、実際に今世紀初めには無人衛星に搭載されて地球をめぐる周回軌道に乗せられているのだが、今回は活動の場を民生用プロジェクトに移して再び現役に復帰する運びとなったのである。

MSなど9社、Windowsプラットフォームとサービス推進のための新コミュニティ

 マイクロソフト、イースト、シーイーシー、東証コンピュータシステム、NEC、日本ヒューレット・パッカード(日本HP)、日本ユニシス、日立ソフトウェアエンジニアリング、富士通の9社は6月27日、Windowsプラットフォームとサービスによるイノベーションや相互運用性の推進、新しいユーザー体験の提供などを目的とした新しいコミュニティ「Wipse(ワイプス)」を共同で発足し、活動を開始すると発表した。

Linux世界における汎用的なプリンタサポートを理想に掲げるドライバ開発キット

 Linux Foundationから先週リリースされたLinux Standard Base Driver Development Kit(LSB DDK)では、プリンタメーカーがLinuxディストリビューションをサポートする際に必要になるプリンタドライバを単一のパッケージによってカバーしようという、非常に壮大な構想がその理想として掲げられている。

IRCネットワークfreenodeとOFTCは統合されるのか

 フリーおよびオープンソースソフトウェアプロジェクトで大いに利用されている2つのIRC(Internet Relay Chat)ネットワーク、freenodeとOpen and Free Technology Community(OFTC)が、スタッフの交換を通じて互いの運用を視察することにより、両者の間にある溝を埋めようとしている。こうした交流は、もともと1つのプロジェクトから生じた2つの組織に接点を与えるものであり、もっと密接な関係へと向かう兆しかもしれない。