Software Freedom Day:オープンソースを街に連れだそう
当日は、各地の愛好家グループが地元の人々に向けてさまざまなイベントを開催する。そうしたグループには、親団体のSoftware Freedom Internationalのほか、CanonicalやFree Software Foundationなどといった後援団体からの支援がある。Software Freedom Dayは、フリー・オープンソースを地域社会に広げるための広報活動だ。
第1回の2004 Software Freedom Dayに参加したのは12チームほどだったが、年々盛んになり、Software Freedom International会長のPia Waughによると「昨年は約180チームが参加、今年は250チームほど」になるという。
当日開催されるイベントの内容はチームごとにさまざまだが、大概は、情報を提供するセミナー、ソフトウェアの展示と研修、製品の配布などだ。中には、タキシード着用で知られるチームもある。衣装で注目を引き人々を誘おうという作戦だ。
Software Freedom Dayは1日だけだが波及効果があり、Linuxなどのオープンソース・ユーザー・グループにとって意義のあるイベントだ。
昨年、オーストラリアのモーソン・レーク(アデレード近郊の町)では、愛好家たちのグループがPaul Schulz’ 2006 Software Freedom Dayを共同開催した。その最も注目すべき成果は、地元Linuxユーザー・グループとAir-Stream――アデレードを本拠とするコミュニティーワイヤレス推進団体――の今も続く交流で、最近も講演者を派遣しあったところだ。この地域では、昨年のイベントで関心に火が付き、新しいLUGがいくつか誕生した。地域のコミュニティー・センターでも、オープンソースの採用が増えているという。
波及効果は、お隣の国ニュージーランドでも見られる。かつてクライストチャーチで開かれたSoftware Freedom Dayイベントがきっかけとなって、Linuxとフリーソフトウェアの研修が行われるようになったのだ。「郊外図書館ICT学習センターを、SFDイベントの本拠として安定的に使えるようになりました。それ以来UbuntuとフリーソフトウェアライブCDを使った夜間教室を毎月開催し、これを通じてセンターとは前向きの関係を維持できています。教室の案内を見て、多くの人がCDをもらいに、あるいは研修やインストールの相談に訪ねてきます。これは、SFDボランティアたちにとって常設に準ずる訓練の場にもなっています。この地域におけるFOSSの認知度は、SFDによって格段に上がりました」。2006 Christchurchチームの一人Rik Tindallは話す。
研修コースは人気で、子供を預かる場所が必要なほどだという。「ここでの経験から、SFDでも託児所のような施設が必要だと考えています。週末にはいつも多くの小さな子供たちが両親や祖父母と一緒に図書館にやってきますから。そこで、ゲームやパズルを用意した『ペンギン託児所(実際にもペンギンには共同保育する時期がある)』を私たちが使っている部屋の一角に作る準備を進めています」
参加するには
登録したチームや個人には、さまざまな賞が待っている。今年どのような賞が用意されているかは発表を待たねばならないが、昨年は、Best Event(ジンバブエのチームLinuxChixが受賞)やBest Event Photo(ネパールのVibek Raj MauryとニュージーランドのワイカトのBruce Kingsburyが受賞)などの賞が贈られた。
7月末までに登録すれば、Tシャツ、ステッカー、風船、ソフトウェアCDを含むイベント・キットが無償でもらえる。この日を過ぎても参加登録はできるがイベント・キットはもらえない。TシャツやソフトウェアCDは、Software Freedom Dayショップで買うことになる。