米GoogleがOn2の買収を完了、FSFが「VP8」フリー化を求める書簡を発表
米Googleは2月19日(米国時間)、ビデオ圧縮技術を開発する米On2 Technologiesの買収が完了したと発表した。買収金額は1億2460万ドルで、2009年8月に計画を発表した当時の提示額より1800万ドル高くなっている。また、Free Software Foundation(FSF)は同日付でGoogleに向けて公開書簡を発表し、On2の「VP8」をフリーにするよう求めた。
On2はビデオコーデック技術ベンダーで、オープンソースの「Ogg Theora」のベースとなったビデオコーデック「VP3」などを開発したことで知られる(同社の最新ビデオコーデックは「VP8」)。Googleは2009年8月、約1億650万ドルでOn2買収を提案、On2の株主らはその後、評価が低すぎるとして買収差止めを要求する集団訴訟を起こしていた。Googleは2010年1月に買収金額を上げ、合意を取り付けた。
この買収は、その前にWorld Wide Web Consortium(W3C)で標準仕様の策定を進めるGoogleのIan Hickson氏が「HTML 5」のデフォルトビデオコーデックについて「義務付けなし」と発表していたこともあって注目されていた。Hickson氏は、Ogg TheoraかH.264かでブラウザベンダーが同意できなかったと説明している。
Googleは8月に買収を発表した際、「動画圧縮技術はWebプラットフォームに組み込まれるべき」と述べていたが、VP8の今後の計画については明らかにしていない。
一方、FSFはこの取引により、GoogleはYouTubeという動画共有プラットフォームと高性能ビデオコーデックであるVP8の特許の両方を所有することになると述べ、VP8をフリーライセンスで公開し、さらにこれをYouTubeで利用するよう求めている。こうすることで、米Adobe SystemsのFlashやプロプライエタリ技術であるH.264が不要になるとしている。
米Google
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