米Google、WebM/VP8をBSDライセンスに変更。オープンソースコミュニティの懸念に対応

 米Googleは6月4日、ロイヤリティフリーのビデオフォーマット「WebM/VP8」のライセンスをBSDに変更したことを発表した。オープンソースコミュニティから指摘されていた他のオープンソースライセンスとの非互換の懸念を払拭する。

 WebMはGoogleが5月19日に発表したプロジェクト。2月に買収した米On2 Technologiesのビデオコーデック「VP8」を含むWeb向けメディアフォーマットをロイヤリティフリーで提供するもの。

 プロジェクト開始当初、WebMはGoogle独自のBSDライクなライセンスを採用していたが、同ライセンスはOpen Source Initiative(OSI)の承認を受けておらず、Googleに特許訴訟を持ち上げた場合、コードの利用を含むあらゆる権利の付与を停止するとしていた。これは、GPL v3およびGPL v2との互換性をなくし、新しいオープンソースライセンスを作るもので、OSIのボードメンバー、Simon Phipps氏(元Sun Microsystemsの最高オープンソース責任者)が懸念を表明するなど、一部のコミュニティには障害となっていた。

 今回、著作権ライセンスと特許部分を分離し、VP8を純粋なBSDライセンスにした。これにより、「新たにライセンスを作ることなく、特許部分をそのままにできる」とGoogleは説明している。

 WebM/VP8には、Mozilla Foundation、ノルウェーOpera Software、米Adobe Systemsなどが支持を表明しており、Participatory Culture Foundationの「Miro Video Converter」やVideoLAN Projectの「VLC」などが対応版を公開している。Google自身も6月3日、WebM/VP8をサポートした開発者向けの「Chrome 6.0.422.0」を公開している。

米Google
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Web M Project
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