Googleがオープンなメディアフォーマットプロジェクト「WebM」を発表、動画コーデック「VP8」はオープンソースに
米Googleは5月19日、ロイヤリティフリーのWeb向けメディアフォーマットプロジェクト「WebM」を発表した。2月に買収した米On2 Technologiesから獲得したビデオコーデック「VP8」も含まれている。
WebMはオープンなWeb向けメディアフォーマットを構築するオープンソースプロジェクト。VP8、オープンソースのオーディオコーデック「Vorbis」、メディアコンテナ「Matroska」のサブセットをベースとするコンテナフォーマットの3つを含む。Web向けに最適化されており、ネットブック、携帯電話、タブレットといった処理能力が低い端末を含め、あらゆる端末で再生できる。このほか、シンプルなコンテナフォーマット、高品質なリアルタイム動画配信などにフォーカスするという。
VP8はOn2が開発したビデオコーデックで、Googleは同日、BSDライクなライセンスの下でソースコードを公開した。現在普及しているビデオコーデックの1つに「H.264」があるが、利用にライセンスが必要となるなどの背景があることから、2月にGoogleがOn2を買収した後、Free Software FoundationはVP8をフリーにするよう要求していた。
VP8のソースコードのほか、スペック、エンコードツールなどを含むWebMのデベロッパープレビューはプロジェクトのWebサイトより入手できる。Googleはまた、WebMに対応したChromiumをすぐに公開するとしている。
WebMについてはMozilla Foundationのほか、Opera Software、Adobe Systemsなどが支援を表明している。MozillaはWebMをサポートしたFirefoxビルドのプレビューを、OperaもLabsのビルドを公開している。Adobeも「Flash Player」でVP8をサポートする計画を発表した。3社のほか、米Qualcomm、米Brightcoveなど約20社が支持を表明している。