NovellにOpenOfficeをフォークさせる意図なし

 最近のメディアの報道を目にしている一般の読者は、有名なフリーのオフィススイートOpenOffice.orgが分断されつつあることを安易に信じるかもしれない。NovellがOpenOffice.orgのフォークを正式に支持しているとの記事が先週Slashdotに掲載され、Ars TechnicaはNovellの動きがOpenOfficeのフォークにつながれば、それは「深刻な分断」であって「OpenOffice.orgコミュニティにとっては好ましくないこと」と記した。しかし、状況を詳しく調べてみると、そうした動きは分断というほど大げさなものではなく、関係組織が長らく抱いてきた不満が表出したことで、長い間にわたって確立された体制をメディア側に知らしめただけであることがわかった。

オープンソースのタオイズム

 2,500年前、中国の思想家、孔子が道教の祖、老子に尋ねた。「タオ(道)とは何ですか」。老子は口を開けたものの言葉を発しない。孔子は笑みを浮かべて立ち去ったが、弟子たちにはさっぱり意味がわからなかった。孔子は次のように説明した。「老子は我々にタオをお示しになったのだ。彼の口に歯はなく、あるのは舌のみ。剛きもの(歯)は死に、柔らかきもの(舌)が生きる。柔よく剛を制す。それがタオだよ」

ときには技術的な資質を社会的な側面に振り向ける

 IT活動によって影響を受ける人々が自分とは相反する懸念や優先事項を抱えている傾向が強いことに配慮しないITマネージャは、プロジェクトを失敗させることが多い。例として、Georgeのケースを取り上げよう。彼は、米国中西部のあるコンサルティング会社でIT部門を管理していた。社内の業務担当社員たちの求める“改良された”プロジェクトトラッキングシステムの選定と導入に多大な費用と工数をかけたあとになって、Georgeは現場にいるコンサルタントたちがその優れた機能を理解できず、使いこなせないことを知った。

新米ITマネージャが知っておくべきこと

 新米ITマネージャとしてあなたは、「卓越した専門家」というほどの期待は受けないにしても、チームを統率してプロジェクトを効率良くこなすということは期待されるようになる。仕事に詳しくなるまでしばらくは大目にみてもらうことのできる猶予期間が与えられるかもしれないが、新米(あるいは新任)のITマネージャになるということは、積極的にリーダーシップを取らなければならないということを意味する。これは裏方としての作業に慣れている人にはプレッシャーに感じることかもしれない。しかし責任者になってしまったのなら、仕事をうまく始めるために以下に挙げるようなことをすると良いだろう。

GNOME 10周年、de Icaza氏とWaugh氏インタビュー

 GNOMEプロジェクトが始まったのはつい昨日のことのように感じるが、実はMiguel de Icaza氏がプロジェクトを開始してからもう10年になる。de Icaza氏は最近は主にMonoに取り組んでいるものの、GNOMEコミュニティは進歩を続けている。今回GNOMEの歴史を振り返り今後を見通すため、de Icaza氏と長年のGNOME貢献者でありGNOME Foundationの理事を務めるJeff Waugh氏に話を聞いた。

ITマネージャに贈るガイド:上司との間の良好な人間関係の育み方

 上司と上手く仕事を進めていくのは職務における最優先事項の1つであり、良好な人間関係の形成に失敗することは、ITマネージャの側にしろ上司の側にしろ針のムシロに座って仕事をし続けることに等しい。逆に言えば、上司との間に良好な人間関係を築くことこそが信頼関係を得る土台であり、またそれは業務の遂行に必要なサポート、情報、支援、リソース、指導をスムースに確保することにつながり、最終的には昇進その他の各種メリットとなるものなのである。そこで本稿では、自分はどんな最低の上司との付き合いも甘受するという覚悟ができている方にとっては不要な話ではあろうが、あなたの職場において最も重要な人間関係を良好なものとするためのヒントをいくつか紹介することにしよう。

テクノロジックアート、「RT-Middleware」に対応する初のUMLモデリングツール

 テクノロジックアート(長瀬嘉秀代表取締役)は、7月12日付けで産業技術総合研究所(吉川弘之理事長)から技術供与を受け、ロボット構築用の共通プラットフォーム「RT(RobotTechnology)-Middleware」に初めて対応したUMLモデリングツール「PatternWeaver for RT-Middleware」を発売した。価格は8万4000円で、ボリュームディスカウントやアカデミックライセンスも用意する。

IT分野で批判をやり過ごして成功するには

 システムに障害が発生してプロジェクトに遅れが出ると、ITの専門家が過酷な労働環境や、ときには個人批判にさらされることは珍しくない。激しい「批判攻撃」にどう対処するかがキャリアを左右することもある。うまく対処すれば、周囲から一目を置かれる存在になる。だが、批判にうまく対処できなければ、プロとしての信用に傷がつき、感情的な痛手を被ることさえある。成功は、こうした攻撃によるストレスにやられる前にスキルを確立するところから生まれる。本稿では、厳しい批判をくぐり抜け、さらにそうした状況で自らを成長させるという重要な方策について検討する。

ITプロジェクトの成否は組織変革のための計画にかかっている

 普通に考えて、あなたが計画したITプロジェクトは組織に多大な価値をもたらすものだとあなたは思っていることだろう。しかもその計画は経営陣が全面的に承認したものなのだ。失敗するはずがない!――しかし残念ながら、そのように価値のあるIT改善プロジェクトが「失敗するはずはなかった」という碑文が書かれた墓の下に埋まることは少なくない。ITプロジェクトを行なう際には、ITプロジェクトを組織変革計画だと考え、以下のような10個のポイントを押さえるようにしよう。

サイオス、オープンソースのプロジェクト管理ツール「ProjectKeeper」公開

 サイオステクノロジーは2007年7月4日、オープンソースのプロジェクト管理ツール「ProjectKeeper(プロジェクトキーパー)」を公開した。Webアプリケーションでタイムリーに情報を共有し、低コストで利用できるという。同日ベータ版を公開、フィードバックを反映させて8月中に正式版「Ver.1.0」を公開する予定。

GPL準拠問題が原因でJoomla! プロジェクトが分裂の危機

 オープンソースCMS「Joomla!」のプロジェクトリーダーLouis Landry氏とその仲間たちは、愛するプロジェクトを守りたいのだ。その一心で彼らは今回、今までの2年間のプロプライエタリ・プラグインに対する容認方針を改め、Joomla!のライセンスであるGPL(GNU一般公衆利用許諾契約書)への自発的な準拠をサードパーティの開発者たちに対して請うことを決断した。

UMLの初心者向けガイド

 ソフトウェアシステムの設計と開発を新たに始める場合、すべての構成要素が最終的にどのようにまとまるかを事前に予測するのは、多くのケースにおいて困難である。とは言うものの、統一モデリング言語(UML:Unified Modeling Language)という手法を開発者や設計者が採用することで、事前に全体像を把握してからプロセス全体の見通しをつけて必要なテクノロジを選択するという作業が、比較的簡単に行えるようになる。

ナポレオンのロシア遠征と大規模プロジェクト管理の課題

 ナポレオンのロシア遠征が失敗したのは冬将軍のせいだ、と誰もが思っているだろう。だがそれは、どんな死も心臓の疾患のせいにしてしまうのと同じで、本当に適切な分析とは言えない。確かに冬将軍はナポレオンの野望を砕く最後の一撃にはなったかもしれないが、決定的な要因ではなかった。遠征失敗の真の原因は、遠征軍の規模の問題とナポレオン自身の管理能力の欠如にあったのだ。ナポレオンの失敗は、大規模プロジェクトを計画するにあたって陥りがちな過ちを知る事例であり、現代の企業社会にとっての教訓でもある。