Apache Mavenのバージョン1.1がリリース

 Java開発者向けオープンソース・プロジェクト管理ツールApache Mavenのバージョン1.1――機能的には1.x系最終バージョン――が、6月25日にリリースされた。

 このバージョンについては、不具合の改修やセキュリティーの改善は引き続き行われるが、今後、新機能が追加されることはない。今回のアップグレードは、pre-1.1ベータやリリース候補の利用者だけでなく、バージョン1.xのすべての利用者に推奨されている。Mavenの最新安定版は、ご存じのように、Maven 2.0.7であり、新たにプロジェクトを起こす場合は、このリリースの利用が推奨されている。2.0.7の推奨が新規プロジェクトに限られているのは、1.xと後方互換性がないからだ。これに対して、今回リリースされた1.1は、一部の例外を除き、1.0への後方互換性がある。

 1.1は、1.0.2に比べ「メモリーの使用量とパフォーマンス全般が大きく改善」(開発チーム)されているほか、Maven 2で採用されている技術――共通トランスポート層Maven WagonとMaven 2.xプラグインをサポートするMaven SCM――が取り入れられている。また、同梱されているプラグインのほとんどがアップグレードされ、エラー時の処理と報告、POMの構造、解説書なども改良されている。

 Mavenの基礎にはプロジェクト・オブジェクト・モデル(POM)という概念がある。POMというのは、簡単に言えば、「プロジェクトをビルドする際に使われる、そのプロジェクトおよび構成に関する詳細な情報を含むxmlファイル」だ。このPOMにより、ビルド、文書作成、サイトにおける公開、ディストリビューションにおける公開をコントロールし、開発をスムーズに進めようというのである。

 また、「ソース・メトリックス、ソース・リポジトリーに直接基づく更新ログ、ソース・クロスリファレンス」が簡単に作成できるツールが含まれている。

 Mavenでは、基本的に、あらゆるものがプラグインを介して機能する。実際に使われている様子を見たい場合は、Mavenのウェブ・サイトに、現在Mavenを利用しているプロジェクトへのリンクのページがあるので、これを利用するとよい。

 Maven 1.1は、Unixベースのオペレーティング・システム(Linuxを含む)、Mac OS X、Windows 2000/XPで動作する。詳細は、リリース・ノートをご覧いただきたい。

Shirl Kennedy、DocuTickerResourceShelf両ブログのシニア・エディターで、Information Todayのコラム「Internet Waves」の執筆者。1992年から技術関連の執筆をしている。

NewsForge.com 原文