ミラクル・リナックス、動的不具合修正ソフト「KAHO」を公開

 ミラクル・リナックス(本社:東京都港区)は2008年7月23日、高可用プラットフォームのLinuxサーバの不具合を動的に修正するソフト「KAHO(Kernel Aided Hexadecimal code Operator)」を発表した。NGN(Next Generation Network)での利用を想定、サービス中断を最小限に抑えるという。近く、GPLライセンスで公開する予定。

 従来ソフトと比べ、実行中のプロセスを退避して別のプロセス実行を再開するコンテキストスイッチ回数を減少。修正対象ソフトの中断時間を低減した。ソフトウェアを終了することなく、プログラムコードやデータの一部を書き換える機能を提供する。

 ソースコードの修正や修正したソフトの再起動などの手順で行われる通常のソフトウェアの修正では、(1)ソフトウェアが保持しているデータやネットワークコネクションなどが失われる(2)一定の時間、当該ソフトウェアが提供するサービスが中断される――という問題がある。

 これに対し、高可用性を求められる通信機器では、ソフトウェアを終了することなくプログラムコードなどを書き換える機能「ランタイム・バイナリ・パッチャ(RBP)」を搭載している。Linuxの高可用性機器への採用が進むにつれて同種の機能の必要性は高まっており、通信機器向けLinux仕様のCGL(Carrier Grade Linux)でも実装が要求されている。

 「KAHO」は、カナダで7月23日から開かれている「オタワ リナックス シンポジウム」で発表する。また同社が販売するエンタープライズ向けLinuxディストリビューション「Asianux」にも搭載する。【鴨沢 浅葱/Infostand】

ミラクル・リナックス
http://www.miraclelinux.com/