SaaSとユーザーの自由を考えるグループautonomo.us

 Free Software Foundation(FSF)は7月14日(米国時間)、Web経由で配信されるサービスがユーザーの自由に与える影響などについて議論するグループ「autonomo.us」がオンラインで活動を開始したことを発表した。autonomo.usは同日、Webサイトで最初の声明文を掲載し、フリーソフトウェアとフリーデータの利用をよしとする見解を明らかにしている。

GPLv3リリースから一年

 今から一年前の2007年6月29日、18ヶ月におよぶコミュニティや企業関係者との幅広い議論を経てGPL(GNU一般公衆利用許諾契約書)LGPL(GNU劣等一般公衆利用許諾契約書)の第3版がリリースされた。さらに11月にはAGPL(GNU Affero一般公衆利用許諾契約書)の第3版もリリースされた。FOSS(フリー/オープンソースソフトウェア)動向の専門家たちは現時点でのこれらのライセンスについて、成功度はほどほどだとしながらも、フリーソフトウェアの啓蒙に寄与し続けているという点で評価している。

サイバーステーション、遠隔ストレージソフト「ENBD」をOSSとして提供開始

 サイバーステーション(福永泰男社長)は6月6日、「ENBD(エンハンスド・ネットワーク・ブロック・デバイス)日本語公式サイト」を立ち上げ、遠隔ストレージソフト「ENBD」日本語版の提供を開始した。全てのLinuxディストリビューションに対応し、GPL2(GNU General Public License Ver.2)にしたがってオープンソースソフトウェア(OSS)として提供する。特に、低コストで構築するDR(災害時復帰)システムへの採用が期待されている。

自由なソフトウェア開発活動の支援を通じて世界に貢献するBradley Kuhn氏

 Software Freedom Law Centerの創立メンバの1人であるBradley Kuhn氏は、フリーソフトウェアという理念の古くからの擁護者であり、FLOSSコミュニティにおいて最大の発言力を有す人物とも目されている。そして先日Linux.comは、以前にFree Software Foundationの取締役を務めていた同氏から最近の活動状況について話を伺うことができた。

フリーソフトウェアの理念にそぐわないiPhone SDKの利用規約

 先日AppleからiPhone用のソフトウェア開発キット(SDK:Software Development Kit)がリリースされたが、同SDKを用いたオープンソースソフトウェアの新規開発や移植を考えていたのであれば、そうした用途にそぐわない利用規約にはなはだ失望させられることになるだろう。特にフリーソフトウェア開発の妨げとなるのは、守秘義務契約の存在とコード署名に起因する問題である。

Software Freedom Law Centerから営利目的のクライアント向けの法律事務所がスピンオフ

 FOSS(フリー/オープンソースソフトウェア)プロジェクトに法的サービスを提供しているSFLC(Software Freedom Law Center)が、Moglen Ravicher LLCという新たな法律事務所を設立した。SFLCの法律顧問であるEben Moglen氏とDan Ravicher氏の名前が付けられたこの新会社は、SFLCの既存のサービスを営利目的のクライアントに対して提供することになる。

機能のすきまを埋めるGNU PDF

 多くの平均的ユーザから見れば、GNU/LinuxにおけるPDFファイルのサポートはかなり進んだように思えるだろう。PDFファイルの作成、表示、編集にはそれぞれOpenOffice.org、Kpdf、pdftkまたはPDFeditのようなプログラムを利用することができる。だがそれで終わりではない、と語るのは最近誕生したGNU PDFプロジェクトの創設者Jose Marchesi氏だ。「残念ながら、既存のフリープログラムには多くの機能が欠けている」。フリーソフトウェア財団(FSF:Free Software Foundation)がGNU PDFを最優先プロジェクトの1つとし、その進捗を速めるための寄付を積極的に求めている最大の理由はそこにある。

ネットワーク分散型ソフトウェアを想定したFSFライセンスのリリース

 GPLv3(GNU General Public License version 3)がリリースされてから約5カ月の間を経て、今回Free Software Foundation(FSF)からはGNU Affero General Public License(GAGPL)が公開された。これによりFSFの定める主要ライセンスの改訂作業はすべて完了したことになる。このGAGPLの適用対象としては、Webアプリケーションやサービス型ソフトウェアなどのネットワーク分散型ソフトウェアが想定されている。

ソフトウェアのライセンス変更でコミュニティの心をつかんだDimdim

 Dimdimは、オープンソースのプラットフォームを利用した世界初のフリーWeb会議サービスを謳っている。ユーザはチャットやビデオ会議をしながら、参加者とデスクトップ環境とファイルを共有できる。もともとDimdimはMozilla Public License(MPL)のライセンス下にあったが、ある大学との間に大口案件が持ち上がった際、上層部の意向でGNU General Public License(GPL)に切り替えたのだった。ソフトウェアのライセンスをMPLからGPLに切り替えることで「コミュニティに我々の製品を使ってもらいやすくなった」とDimdim創設者のDD Ganguly氏は語る。

FSF Compliance Lab、ライセンスについての質問を受け付けるオンラインミーティングを開催

 FSF(フリーソフトウェア財団)のFree Software Licensing and Compliance Lab(フリーソフトウェアライセンス供与/準拠研究所)は昨夜、IRCミーティングで公開質疑応答セッションを行なった。ミーティングの進行役は、FSFのライセンス供与/準拠エンジニアであるBrett Smith氏が務めた。Smith氏は最初にGPLv3ライセンスをめぐる最近のFUDのいくつかを取り上げ、その後はGPLv3についての質問に答えたり誤解についての説明を行なったりした。

GPLv3の採用を順調と見る専門家たち

 正式リリースから4か月が経過したGNU一般公衆利用許諾契約書バージョン3(GPLv3:General Public License version 3)の受け入れ状況はどうなっているのだろうか。9月25日に公開されたEvans Data社の調査を信じるなら、芳しくはないようだ。しかし、ライセンシングの問題に深い関心を持つフリーソフトウェア財団(FSF:Free Software Foundation)とPalamida(フリーおよびオープンソースソフトウェア[FOSS]をめぐる問題で顧客にアドバイスを行う組織)にいる関係者は、別の見方をしている。

アートワークとフリーソフトウェアのライセンス問題

 アイコン、効果音、背景画像、起動画面、ウィンドウマネージャのテーマなどのアートワークの作者なら、アートワークとフリーソフトウェアとを共存させることができる適切なライセンス選びに苦労していることだろう。CC(クリエイティブ・コモンズ)のライセンスとFSF(フリーソフトウェア財団)のライセンスにはどちらにもそれぞれの利点があるが、これらのライセンスはお互いに非互換だ。CCもFSFも状況をすっきりさせる方向で取り組みを始めているが、ここではそれが実現するまでに行なうことのできる、ライセンスの非互換性に対処する方法をいくつか紹介する。

SFLCがBusyBox開発者の代理でGPL訴訟を提起

 SFLC(Software Freedom Law Center)がBusyBox開発者2名の代理としてMonsoon Multimedia社を相手取った訴訟を起こした。訴訟内容は、Monsoonの新製品であるHavaとそのファームウェアが、組み込みシステム用UNIXユーティリティ集のBusyBoxから流用したコードを配布しているのにも関わらず、GPL(GNU一般公衆利用許諾契約書)において規定されている通りにソースコードを公開していないというものだ。SFLCの法律担当ディレクタを務めるDaniel B. Ravicher氏は「この訴訟は、私を含め私の知っている限り米国在住の人がGPLへの準拠を強制するために実際に裁判所に訴えなければならなかった初めてのケースだ」としている。