今から一年前の2007年6月29日、18ヶ月におよぶコミュニティや企業関係者との幅広い議論を経てGPL(GNU一般公衆利用許諾契約書)と
LGPL(GNU劣等一般公衆利用許諾契約書)の第3版がリリースされた。さらに11月には
AGPL(GNU Affero一般公衆利用許諾契約書)の第3版もリリースされた。FOSS(フリー/オープンソースソフトウェア)動向の専門家たちは現時点でのこれらのライセンスについて、成功度はほどほどだとしながらも、フリーソフトウェアの啓蒙に寄与し続けているという点で評価している。
Software Freedom Law Centerの創立メンバの1人であるBradley Kuhn氏は、フリーソフトウェアという理念の古くからの擁護者であり、FLOSSコミュニティにおいて最大の発言力を有す人物とも目されている。そして先日Linux.comは、以前にFree Software Foundationの取締役を務めていた同氏から最近の活動状況について話を伺うことができた。
先日AppleからiPhone用のソフトウェア開発キット(SDK:Software Development Kit)がリリースされたが、同SDKを用いたオープンソースソフトウェアの新規開発や移植を考えていたのであれば、そうした用途にそぐわない利用規約にはなはだ失望させられることになるだろう。特にフリーソフトウェア開発の妨げとなるのは、守秘義務契約の存在とコード署名に起因する問題である。
Software Freedom Law Center(SFLC)はBusyBoxの開発者Erik Andersen氏とRob Landley氏に代わり、High Gain Antennas, LLC(カリフォルニア州パーカー)とXterasys Corp.(同州シティオブインダストリー)を相手取って新たに2件の訴訟を起こした。これは、最近和解が成立したMonsoon Multimediaに対する類似の提訴に続くものだ。
FSF(フリーソフトウェア財団)のFree Software Licensing and Compliance Lab(フリーソフトウェアライセンス供与/準拠研究所)は昨夜、IRCミーティングで公開質疑応答セッションを行なった。ミーティングの進行役は、FSFのライセンス供与/準拠エンジニアであるBrett Smith氏が務めた。Smith氏は最初に
GPLv3ライセンスをめぐる最近のFUDのいくつかを取り上げ、その後はGPLv3についての質問に答えたり誤解についての説明を行なったりした。
アイコン、効果音、背景画像、起動画面、ウィンドウマネージャのテーマなどのアートワークの作者なら、アートワークとフリーソフトウェアとを共存させることができる適切なライセンス選びに苦労していることだろう。CC(クリエイティブ・コモンズ)のライセンスと
FSF(フリーソフトウェア財団)のライセンスにはどちらにもそれぞれの利点があるが、これらのライセンスはお互いに非互換だ。CCもFSFも状況をすっきりさせる方向で取り組みを始めているが、ここではそれが実現するまでに行なうことのできる、ライセンスの非互換性に対処する方法をいくつか紹介する。
昨日の報告とは異なり、Monsoon Multimediaが
BusyBoxの配布でGNU一般公衆利用許諾契約書(GNU General Public License;GNU GPL)に違反しているとする
訴訟は、速やかな解決に向かわない可能性がある。また、必ずしも法廷の外で決着がつくわけではないようだ。
SFLC(Software Freedom Law Center)がBusyBox開発者2名の代理としてMonsoon Multimedia社を相手取った訴訟を起こした。訴訟内容は、Monsoonの新製品である
Havaとそのファームウェアが、組み込みシステム用UNIXユーティリティ集の
BusyBoxから流用したコードを配布しているのにも関わらず、GPL(GNU一般公衆利用許諾契約書)において規定されている通りにソースコードを公開していないというものだ。SFLCの法律担当ディレクタを務めるDaniel B. Ravicher氏は「この訴訟は、私を含め私の知っている限り米国在住の人がGPLへの準拠を強制するために実際に裁判所に訴えなければならなかった初めてのケースだ」としている。