SaaSとユーザーの自由を考えるグループautonomo.us

 Free Software Foundation(FSF)は7月14日(米国時間)、Web経由で配信されるサービスがユーザーの自由に与える影響などについて議論するグループ「autonomo.us」がオンラインで活動を開始したことを発表した。autonomo.usは同日、Webサイトで最初の声明文を掲載し、フリーソフトウェアとフリーデータの利用をよしとする見解を明らかにしている。

 FSFが今年3月に開いたネットワークサービスに関する作業部会でのディスカッションを受け、参加者がグループを立ち上げた。FSFのメンバーのほか、米Novell、Gnome Foundationなどのスタッフが参加している。

 autonomo.usのWebサイトはブログ、Wikiなどのコンテンツを持ち、利用が進みつつあるSaaSなどネットワークサービスがユーザーの自由や自主性に与える影響について、長期的にディスカッションを行っていく場としている。

 14日付けで掲載された声明文“Franklin Street Statement”(Franklin StreetはFSFの所在地)では、ユーザーの自由や自主性に良い影響を与えるネットワークサービスはフリーソフトウェアとフリーデータを利用するサービスだとする、最初のコンセンサスを披露している。

 その上で、開発者に対してGNU Affero General Public License(GNU Affero GPL)の採用と、フリーではないネットワークサービスの代替となるサービス開発を呼びかけている。また、サービスプロバイダに対しては、フリーソフトウェアの選択、カスタマイズなど修正をフリーソフトウェアライセンスの下で公開すること、ユーザーが自分のデータをサービスの外でも利用できるようにすることなどを提唱している。

 autonomo.usはFSFからは独立したグループとなるが、2者は今後も関係を蜜にしていくという。

autonomo.us
http://www.autonomo.us

Free Software Foundation
http://www.fsf.org