初心者にも扱いやすくなった Debian GNU/Linux 5.0 (lenny)

 メジャーなLinuxディストリビューションの中で、もっともマニアックな香りがするのがDebian GNU/Linuxではないだろうか。インストールが難しい、システム設定が複雑といったイメージからか、これまでは初心者に敬遠されていた感は否めない。そのDebian GNU/Linuxの最新安定版(stable)リリースであるバージョン 5.0(コードネーム「lenny」)が、2009年2月14日にリリースされた。カーネルを2.6.26とした今回のバージョンアップでは、それほど目新しい新機能は少ないが、安定性と使い勝手の向上に重点が置かれている。筆者が1週間ほど使った感想としては、かつての難解で質実剛健といったイメージは影を潜め、デスクトップOSとしての完成度も、人気のUbuntuと比較してもそれほど遜色ない感じだ。なお、セキュリティ的な面の強化点として、LinuxをセキュアOS化するSELinuxが標準でインストールされるようになった(ただし、デフォルトでは無効になっているので有効にするには設定が必要)。

「Debian GNU/Linux 5.0」(lenny)が正式リリース

 Debianプロジェクトは2009年2月14日、最新Linuxディストリビューション「Debian GNU/Linux バージョン 5.0」(コードネーム:lenny)を正式リリースした。多くのストレージ機器で使われているMarvellの「Orion」プラットフォームや、ASUSTeK Computerの「Eee PC」などネットブックのサポートなどを追加した。「4.0」(etch)から22カ月ぶりのアップグレード。

DebianおよびUbuntuシステムのパッケージ管理用スクリプト

 Distrowatchの公表するダウンロード数上位10ディストリビューションのうち5つがDebianのパッケージングシステムを採用している。このシステムは各種ユーティリティを豊富な揃えたインフラストラクチャへと発展を遂げ、そこには基本的なコマンドであるapt-getとdpkgだけでなくapt-cache、apt-spy、apt-listbugsといったあまり知られていないコマンドも含まれる。ほかにも、既存ユーティリティのマッシュアップやオリジナルのものなど、さまざまなスクリプトがopenDesktop.orgのようなサイトで手軽に入手できる。こうしたスクリプトを使えば、Debianベースのパッケージングシステムの利用手順を効率化できたり、ソフトウェアのインストール環境についての適切な判断に役立つ情報が得られたりする。

DebianとUbuntuシステムで入手可能なパッケージ情報

 Linuxの初心者なら自動アップデートやデスクトップツールで得られるパッケージ情報で満足するかもしれないが、経験を積んでくると注意深くなり要求水準も高くなるものだ。たとえば、アップグレードに着手する前に依存性を調べてリスクを評価したり、古いリポジトリーにあるバージョンを使うことでパッケージ間の競合を避けたりする。Debianは古くから高度な利用者を対象としており、apt-cacheコマンドやディストリビューションのWebサイトなど、その種の情報を入手する手段がいくつかある。Ubuntuでは、最近できたUbuntu Simple Package Crawlerもある。しかし、残念なことに、必要と思われる機能をすべて備えた情報源はない。
2008-11-05 17:47:00 更新(初出時の間違いを修正)

Sidux試用記:じわじわと良さが伝わるディストリビューション

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  Sidux は、比較的新しいデスクトップLinuxディストリビューションだ。Debianの不安定版の開発ブランチsidをベースとしている。最新のDebianの派生ディストリビューションとして、簡単にインストールできて使いやすいという点を念頭に開発が進められており、Debianプロジェクトの基本原則や価値を忠実に受け継いでいることを誇りにしている。Siduxを使ってみたところ、若干の不都合もあったものの、使うたびにその良さがだんだんわかってきた。

GNOME Debian Package Finder:完成数歩手前のデスクトップ操作型パッケージ検索ツール

 Debianのパッケージ管理をコマンドラインから行っているユーザであれば、apt-cacheapt-file、dpkgなど、各種のプログラム検索ユーティリティの存在を知っていることだろう。それと同時に、Synapticなどのグラフィカルインタフェースを利用した場合は、名称、バージョン、依存性といった、非常に限定された情報検索しかできない点に不満を覚えているはずだ。そうしたギャップを埋める目的で現在開発が進められているのが GNOME Debian Package Finder (gpfind)というツールであり、これはコマンドライン系ユーティリティの有す優れた検索能力をデスクトップにて再現することを目指したものだが、残念ながらバージョン0.1.6という数字からも分かるように、今すぐコマンドライン操作がすべて不要になるという完成度には至っていない。

UbuntuまたはDebianの新米ユーザに朗報:UltamatixはAutomatixの後継ソフト

 世間にはまだAutomatixを覚えているUbuntuファンがいるだろう。フリーでないさまざまの人気アプリケーションやよく使われるAVコーデックに簡単にアクセスできるツールとして、人気を博していた。数年前にデビューし、依存関係を壊す危険があるとしてUbuntu開発者や熟練ユーザには不評だったものの、debパッケージの何たるかをよく知らない初心者には、同パッケージを簡単に扱うためのツールとして重宝がられていた。やがて開発者が他のプロジェクトに移行し、Automatixの開発は打ち切りとなったが、今回、Automatixの後継ソフトとしてUltamatixが名乗りをあげた。

GNU/Linuxと呼ぶことについて

 「Linuxじゃない、君が使っているのはGNU/Linuxだ」というのはストールマン御大のオハコで、彼に会う人は誰しも大体一度は口を滑らせて怒られるはめになる。私自身はというと、スペインはバルセロナくんだりまで行って怒られたことがあった(おまけにその一部始終は録音、中継されていた)。ちなみに、LinuxはGNUプロジェクトの産物ではないということを強調すべく、御大は「グニュー・スラッシュ・リヌクス」とちゃんと区切りのスラッシュを発音することも忘れない。

セキュリティ警報:多数のシステムに影響を及ぼすDebian OpenSSLの不具合が発覚

 高名なセキュリティ研究者であり、MetaSploit Projectの創設者でもあるH. D. Moore氏は、DebianパッケージのOpenSSLに隠されていたバグという同氏の発見した最新の研究結果を報告した。Moore氏は今回のバグの発生源を説明すると共に、OpenSSLの生成する鍵に付けられた値がこの不備を悪用することで簡単に予測できてしまう点に注意を喚起している。

暗号化USBドライブからDebian GNU/Linuxを起動させるセットアップ法

 多くのユーザにとってライブCDという概念は既にお馴染みのものだろう。これはオペレーティングシステムをブート可能な状態でCDに焼き込んだもので、光学ドライブからの直接起動に対応したコンピュータであれば、インストール済みオペレーティングシステムをバイパスする形で、ライブCDにある別オペレーティングシステムを実行できるのである。またUSBからのブートアップに対応したコンピュータの場合、これと似た起動方式としてUSB接続式の外部ハードドライブからLinuxを起動させることも可能だ。こうしたライブシステムの場合、ディスプレイアダプタおよびスクリーンや記憶デバイスその他の周辺機器については、その検出と設定が自動で処理されるようになっている。そしてブータブルUSBドライブからは、Debian GNU/LinuxなどメインストリームのLinuxディストリビューションを起動するだけでなく、セキュリティ強化、パーソナライズ、アップグレードその他のユーザ固有のニーズに合わせたカスタマイズを施すことも可能なのである。

才色兼備なEnlightenmentの魅力を見事に引き出したEliveディストリビューション

  Elive は外観的な美しさと優れた操作性とを兼ね備えたLinuxディストリビューションである。EliveはDebianをベースとしているが、ウィンドウマネージャとしてEnlightenmentを採用することでMac OS X風のルックアンドフィールを醸し出すディストリビューションに仕上げられており、また即座に使用可能で操作性にも優れたデスクトップアプリケーションが多数同梱されている。