Debian Project、ソフトウェア特許をわかりやすく説明するFAQを公開

 Debian Projectは7月9日、フリーソフトウェア開発者向けにソフトウェア特許を解説するドキュメント「Community Distribution Patent Policy FAQ」を公開した。特にディストリビューションコミュニティに向けたもので、特許のリスクについての啓蒙を目的とする。

 Debian Projectではソフトウェア特許について、「フリーソフトウェアを脅かすものであり、ソフトウェアのイノベーションを推進するものではない」という姿勢を保っている。だが、ソフトウェア特許は米国など世界のいくつかの国で認められていることから、フリーソフトウェア開発者やディストリビューターはこの問題を過小評価したり、過大評価するべきではないと考えており、FAQを作成したという。

 実際の作成は、Debian Projectの依頼を受け、オープンソースの法的支援団体であるSoftware Freedom Law Center(SFLC)の弁護士が担当した。FAQは、「特許とは何か」「特許の侵害」「特許がコミュニティディストリビューションにもたらすリスク」の4つのテーマを柱に、関連する質問と答えが並んでいる。たとえば、「特許の侵害」では、有効な特許侵害が認められるとFOSSディストリビューションに対しても指し止め命令がでること、ディストロのディストリビューション全体を停止するような指し止め命令の可能性よりも、一部機能を無効にするよう求められる可能性が高いなどのことが書かれている。

 法的アドバイスはないが、ソフトウェア特許に対応するための洞察となるもので、他のコミュニティ主導のフリーソフトウェアディストリビューションにも適用できるという。

Debian Project
http://www.debian.org/

Community Distribution Patent Policy FAQ
http://www.debian.org/reports/patent-faq