Debian、ブートシステムで「Upstart」採用へ

 Debian開発者は9月5日付けのメーリングリストで、ブートシステムをSytem-VのinitからUpstartに変更する計画を発表した。Linuxカーネルの進化により、イベントベースのブートシステムを採用する必要があると判断したという。

 Linuxカーネルはイベントベースのアーキテクチャに進化しており、シーケンシャルなDebianの既存ブートシステムは劣化しているという。問題を根本から解決するため、これまで採用してきた/sbin/initを、カーネルイベントを処理できるUpstartに置き換えることにしたと背景を説明している。

 UpstartはUbuntu開発者が開発したイベント駆動型ブートシステムで、UbuntuやFedoraで採用されている。Debianチームは今後、Upstartで/ect/inittabを利用するようUpstartを変更することで、移行をしやすくするとのこと。また、init.dスクリプトもUpstartに対応するよう変更する。/sbin/initをイベントベースに変更した後は、初期のブートシステムがイベントを利用するよう書き換える。これにより、イベントがある際は利用し、ない場合はこれまでと同じように振舞うようにするという。

 Upstartの採用は、次期版「Debian 6」(開発コード名「Squeeze」)より開始する予定だ。

Debian Project
http://www.debian.org/