VMmark:仮想環境のベンチマーク

 アプリケーションソフトウェアの性能のベンチマークを行なうための従来の手法は、かなり単純なものだった。すなわち、単一のアプリケーションを実行し、その性能を測定し、結果を分析し、それらを必要なだけ繰り返すというプロセスだ。ところが様々なアプリケーションを実行する複数の仮想マシンを実行した状態のベンチマークを取ろうとすると、プロセスは面倒になりデータの正確さも低下してしまう。しかしVMwareはVMmarkによって、そのような問題を解決したいと考えている。VMmarkは、ハードウェアの購入や負荷分散についてIT部門の適切な意思決定の手助けを目的とした仮想環境のベンチマークツールだ。

企業ITの全領域を最適化する仮想化技術の新たな役割が浮き彫りに――次世代IT基盤を創出するVMwareのビジョンとは

 VMwareは7月13日から、東京・大阪・名古屋の3会場をリレーして仮想化の最新動向と効果的な活用方法を紹介する「VMware Virtualization Roadshow 2007」を開催した。同イベントでは、「ITインフラの最適化」、「災害復旧・ビジネス継続性」、「エンタープライズ・デスクトップ管理」という3つのテーマにフォーカスし、戦略的な仮想インフラの構築や、仮想化導入効果を最大限に引き出す方法などが、同社およびパートナー各社から紹介された。東京で行われた基調講演や事例講演、パネルディスカッションを中心に同イベントで発信されたメッセージを検証してみよう。

仮想化導入前に自問すべき10のポイント――技術的「準備度」や事業目標の「認識度」を診断する

 データセンターの処理効率を高めるうえで、仮想化はもはや不可欠の技術である。しかし、きちんと準備を整えないまま仮想化技術を導入すると、得られるメリットが小さくなるばかりか、導入コストをむだに費やすことになりかねない。導入を成功に導くには、相応の「準備」と「心構え」が必要なのだ。

VMware、仮想化性能を評価するベンチマーク・ツールを無料公開――策定中のSPEC標準を補完する“公平”なテスト環境の提供をアピール

 米国VMwareは7月23日、データセンターの仮想化技術の性能を評価するための無料のベンチマーク・ツールを公開した。同社は、競合ベンダーを含むあらゆる企業にとって公平なテスト環境を提供できるとアピールしている。

ネットワールドとファルコンストア、障害が発生した物理サーバを仮想マシン上に復旧するソリューション

 ネットワールドとファルコンストア・ジャパンは7月12日、物理サーバの障害発生時に、サーバを仮想環境上に復旧するソリューション「FalconStor CDP Virtual Appliance for VMware Infrastructure(以下 CDP forVMware Infrastructure)」の販売を開始した(出荷開始は8月中旬の予定)。

BorlandとVMwareが提携強化、仮想テスト環境の構築/管理製品を発表――「テスト環境構築にかかる時間を数分に短縮できる」

 米国Borlandと米国VMwareは、近年ニーズが高まっている仮想化技術を利用したアプリケーション・テスト環境を提供するため、提携関係を強化している。両社は7月9日、仮想テスト環境を構築/管理する製品の最新版をそれぞれ発表した。

Intel、VMwareの株式2億1,850万ドル相当を取得へ――持株比率は2.5%となり取締役1人を派遣可能に

 米国Intelは7月9日、仮想化ソフトウェアを手がける米国VMwareの株式2億1,850万ドル相当を取得する意向を明らかにした。両社はIntelのプロセッサ上でVMwareの仮想化ソフトウェアを稼働させることで協業しており、株式取得によって協力関係がいっそう強化されることになりそうだ。

64ビットUbuntu上でVirtualboxを使う

 InnotekのGPL版Virtualboxを使うと、PCの実オペレーティング・システムの内部に仮想運用環境を作ることができる。私は数か月間前からUbuntu 7.04が動作する32ビット・ノートパソコン上で使っているが、印象的なソフトウェアだ。だが、自宅で主に使っているPCにはUbuntu 7.04 Feisty Fawnの64ビット版が入っており、64ビットOSをサポートしていないVirtualboxは使えなかった。しかし、今月になって64ビット版が登場、私が試用したところでは32ビット版と同様に快適に動作した。以下、その試用を報告する。

HPの仮想化担当者が語る「仮想管理の重要性」――普及期に入ってクローズアップされる仮想管理の課題

 米国ネバダ州ラスベガスで開催された年次コンファレンス「HP Technology Forum & Expo 2007」(6月18日~21日)の「1番人気」は何と言っても「仮想化」であり、会期中は実に87にも上る仮想化関連のワークショップが開かれた。HPの仮想化担当者は顧客との応対に大わらわだったが、なかでも多忙を極めていたのが、仮想化プログラム担当ディレクターを務めるニック・バンダー・ズウィープ氏であった。多忙の中でインタビューに応じてくれた同氏は、仮想化の有望性とそれを管理するうえでの注意点について、熱く語った。

プロックスシステムデザイン、SWsoftのVirtuozzoを用いた仮想専用サーバサービスを開始

 米国SWsoftの日本法人、SWsoft株式会社(東京都中央区、以下SWsoft)は6月28日、レンタルサーバ事業者のプロックスシステムデザイン(東京都千代田区、以下プロックス)が提供する仮想専用サーバ(VPS)サービス「Dual Stream」において、SWsoftの仮想化製品「Virtuozzo」とサーバ管理ツール「Plesk」、ホスティング自動化ソリューション「HSPcomplete」が採用されたことを発表した。

エンタープライズ・レベルに達したiSCSI――急速に普及するiSCSI-SAN。その技術の成熟度を測る

 基幹系システムに接続するストレージとして、堅牢だが高価なFC-SAN(Fibre Channel-Storage Area Network)ではなく、安価で導入が容易なiSCSI(Internet Small Computer System Interface)ベースのSANストレージを選択する企業が確実に増えている。もっともiSCSI-SANは今すぐFC-SANに取って代わるものではないが、その導入コストの低さは、小・中規模企業にとっては大きな魅力となっている。本稿では、FC-SANとiSCSIというストレージ技術の違いや、iSCSIを導入する際にITマネジャーが気をつけるべきポイントなどを明らかにしたい。