Intel、VMwareの株式2億1,850万ドル相当を取得へ――持株比率は2.5%となり取締役1人を派遣可能に

 米国Intelは7月9日、仮想化ソフトウェアを手がける米国VMwareの株式2億1,850万ドル相当を取得する意向を明らかにした。両社はIntelのプロセッサ上でVMwareの仮想化ソフトウェアを稼働させることで協業しており、株式取得によって協力関係がいっそう強化されることになりそうだ。

 Intelは2005年11月から、企業のITマネジャーがVMwareのアプリケーションを使ってハードウェア・プラットフォームを複数の仮想プラットフォームとして扱えるようにする標準技術を採用したプロセッサを販売してきた。両社はマーケティングおよび製品開発でも協力関係を持つ。

 Intelは同社の投資部門であるIntelキャピタル経由でVMwareの株式を取得する予定で、現在、米国反トラスト規制当局の承認を待っている段階にあるという。

 Intelの株式取得は、VMwareがIPO(新規株式公開)を実施して同社株の10%を売り出すかたちで行われる。VMwareは売却日をまだ決定していないが、2007年下半期中に実行されるのではないかと見られている。

 Intelは株式の取得により、自社の幹部1名をVMwareの取締役に任命する権利も得るという。VMwareが米国証券取引委員会(SEC)に提出した書類を見ると、Intelの持株比率は2.5%になる模様だ。

 VMware株の大部分(89%)は、2004年1月に同社を買収したデータ・ストレージ・ベンダー大手の米国EMCが保有している。EMCの投資は、VMwareの急成長により大きな成果を生み出した。VMwareの2006年の売上高は2005年の3億8,710万ドルから7億390万ドルに急増し、1年間で82%という高い伸びを記録している。

 VMwareでは、企業内のサーバやデスクトップ/ノートブックPCのうち、仮想化ソフトウェアを使っている割合はまだ微々たるものであり、急成長は今後も続くと見込んでいる。

(ベン・エームズ/IDG News Service ボストン支局)

米国Intel
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米国VMware
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提供:Computerworld.jp