Microsoft CEO、Ballmer氏によるフリー/オープンソースへの批判に意見する

コメンタリ:先日のとある記者会見の席上、MicrosoftのCEOを務めるSteve Ballmer氏はフリー/オープンソースへの批判を展開する口実として、この種の人々は他者の知的所有権を尊重していないという旨の発言を行った。今回の一件に私が注目したのは、鉄面皮の二枚舌人間が自らの行為を都合よく棚上げする行為に呆れたからだけではなく、この発言を口にしたのが、世に名だたる史上最大の知的財産の不正使用者であるMicrosoftの関係者の1人だったからだ。

賛否入り混じる反響を呼んだBlackboardの特許公約

教育コンテンツの管理システムを提供する主要企業の1つであるBlackboardは、オープンソースのeラーニングに携わるプロジェクトおよび企業に対して自社特許の権利行使をしないとする公約を発表した。この公約による保護の対象には、教育機関が組織内で開発した、いわゆる「自家製」の学習システムも含まれる。ただし、この公約によって保護されるオープンソースのソリューションは、プロプライエタリなソフトウェアにバンドルされていないものに限る、との但し書きが付いている。この点についてはさまざまな反応があるが、多くのオープンソースプロジェクトは、今後の行く末については懐疑的な態度を示しながらも今回のBlackboardの動きを前向きに評価している。

Fluendoのメディアデコーダ販売がオープンソース擁護派に奏でる不協和音

パテント保護された様々なオーディオ/ビデオフォーマットに対応した再生コンポーネント群が先日Fluendoから販売され始めたことにより、各種アーキテクチャでLinux/Solarisを使用するユーザたちには、必要なコーデックを有料で購入するという新たな選択肢が追加されることになった。こうしたフォーマットについては、Windows用DLLのクローンないしオリジナル開発のコードという形態で対応したフリーのプログラムも存在するが、法的に見た場合、これらはいずれも特許法に違反しているのである。またFluendoの販売するプラグイン群については、存在そのものが多数の批判を生み出しているようだが、Fluendo側からはそうした意見についての反論が提出されている。そしてなんとも皮肉なことに、これらのプロプライエタリ系フォーマット用デコーダ群の売り上げは、フリーな代替ソフトウェアの開発資金へと還流されているのだ。

Blackboardのe-ラーニング特許、再審理へ

米国特許商標庁は、Blackboardの保有するe-ラーニング・システムに関する特許に対して、Software Freedom Law Center(SFLC)が請求していた再審理の開始を決定した。この特許に対しては、Desire2Learnも再審理を請求中だ。この2件の再審理請求によって、同特許は無効となるか、あるいはフリーソフトウェアのラーニング・システムの脅威とならない程度に特許範囲が狭められるだろう。Richard Fontanaは、SFLCを代表して、このような楽観的見方を表明した。

Software Freedom Law CenterがBlackboardの特許に挑む

本日(11月30日)、Software Freedom Law Center(SFLC)は、インターネットベースの教育支援システムに利用されるテクノロジについてのBlackboard社の特許を再審査するよう米国特許商標庁(US Patent and Trademark Office:USPTO)に要請している、と発表した。この特許を無効化しようとの試みである。SFLCの措置はSakai FoundationMoodleATutorといった組織を代表したものだ。

openSUSEがMicrosoftとNovellの提携に関する公開質疑をIRCで実施

openSUSEプロジェクトの開発者たちが本日正午(27日、米国東部標準時)に公開IRCミーティングを実施し、最近発表され大いに物議を醸しているNovellとMicrosoftの提携について議論を行った。Novellでオープンソースの技術および戦略策定の最高責任者を務めるNat Friedman氏が、openSUSEプロジェクトマネージャのAndreas Jaeger氏をはじめとする人々の助けを得ながら、質問の大半に回答した。

ソフトウェア特許コンファレンスで提示された問題とソリューションの概要

11月17日、「Software Patents: A Time for Change?」(ソフトウェア特許に変化の時代到来か?)と題されたコンファレンスが、Boston University Law SchoolとMassachusetts Institute of Technologyによって開催された。コンピュータのヘビーユーザと法律家が同席するという一風変わった本コンファレンスにおいて様々なパネラーが総計10時間にわたり繰り広げたのは、ソフトウェア特許にまつわる問題や想定されるソリューションについての討論であった。

先行技術では解決しないソフトウェア特許問題

OSDL(Open Source Development Lab)には米国特許局に既知のアイデア(“先行技術”)を知らせてそのようなアイデアを扱う“質の悪い”ソフトウェア特許の発行を阻止しようというプロジェクトが存在する。フリーソフトウェアリポジトリ内のフリーソフトウェアパッケージに注釈を付けて、そこに含まれるアイデアを簡単に見つけることができるようにするというのである。これがよい思いつきのように聞こえるのは、問題がよく見えていないからだ。GNU Projectはこのプロジェクトに参加していない。この問題をもう一度よく考えてみよう。