Mozilla、Ubuntuコミュニティの批判を受けEULA改定へ

 Mozilla FoundationがLinux向け「Firefox」のEULA(使用許諾契約書)の見直しを進めている。Mozilla Foundation会長、Mitchell Baker氏が9月15日(米国時間)、自身のブログで明らかにした。「Ubuntu」で「Firefox 3」を初回起動時、表示されるEULAについて、先週より、Ubuntuコミュニティを中心に疑問視する声が起こっていた。

SFLCの「GPL準拠のための実践ガイド」の中身

 Software Freedom Law Center(SFLC)の目標の1つとして、フリー/オープンソースソフトウェア(FOSS)の法的問題に関する啓発活動の拠点になることが挙げられる。そうした活動の一環として、SLFCはすでに「オープンソースおよびフリーソフトウェアプロジェクトのための法律問題入門(A Legal Issues Primer for Open Source and Free Software Projects)」を公開している。そして先週、一般向けの最新教材として「GPL準拠のための実践ガイド(A Practical Guide to GPL Compliance)」という15ページの手引書がリリースされた。このガイドには、FOSSプロジェクト向けに、GNU一般公衆利用許諾契約書(GPL:General Public License)および劣等一般公衆利用許諾契約書(LGPL:Lesser General Public License)への違反をどうすれば避けられるかが書かれている。その主題は実用に則した形でまとめられているが、法律面をむやみに強調した表現と、構成上の問題および欠落により、自己完結した参考資料としては難がある。

ニワンゴ、著作物二次利用ルール「ニコニ・コモンズ」運用開始

 ニワンゴ(本社:東京都中央区)は、著作物の二次利用ルール「ニコニ・コモンズ」の運用を2008年8月15日から開始した。クリエイターが権利の一部を開放、明示することで、他のクリエイターによる新たな創作活動を支援することを目指す。そのための著作物を管理するためのWebサイトも開設した。

autonomo.us:ネットワークサービスソフトウェアのライセンス問題を考えるシンクタンクを目指す

 ネットワークサービスはソフトウェア業界で最近もっとも急成長している分野の一つだが、ネットワークサービスではフリーソフトウェアが大いに活用されている一方で、フリーなライセンスの下で利用可能なサービスが少ないという議論があり、FSF(フリーソフトウェア財団)のネットワークサービス向けのGNU Affero GPL(GNU Affero一般公衆利用許諾契約書)の最新版もつい最近(昨年の11月に)リリースされたばかりだ。そのような状況を考えると、先週発表されたautonomo.usのような組織が設立される下地はすでに十二分に整っていたとも言えるだろう。autonomo.usは「ネットワークサービスにおけるソフトウェアの自由についての問題を重点的に取り扱う」ために新設された活動家グループだ。短期的な計画についてはまだ検討中だが、現在のところの長期的な目標は(と言っても、実のところ、現時点ではこれ以外にはまだ何も決まっていないのだが)ネットワークサービスと自由についての問題について議論し、人々に考えさせるグループになるということのようだ。

linux-libreプロジェクト、なかなか賛同を得られず

 今年は、フリーソフトウェア財団(FSF)が支持する完全にフリーなディストリビューションgNewSenseのバージョン2.0がリリースされたり、Ubuntuがフリーソフトウェアのみをインストールするオプション翻訳記事)を追加したりという動きがあった。そんな中、Red Hatの社員で、フリーソフトウェア財団ラテンアメリカ(FSFLA)の役員としても知られるAlexandre Oliva氏が、linux-libreというプロジェクトを進めている。もくろみ通りに事が運べば、100%フリーなディストリビューションの構築を容易にするプロジェクトになるはずだった。だが残念なことに、自由を求める同氏の道のりは、主義主張の違いに阻まれたり、理想より利便性を求める声に押されたりして、難航している。

FOSSにとってWebアプリケーションは次の戦いの場か?

 Webアプリケーションの人気の高まりを懸念して、ClipperzプロジェクトのMarco Barulliは、この趨勢にFOSS(free and open source software)はどう応えるべきかという点について初めての詳細な提案の1つを書いた。BarulliもClipperzも一般にあまり知られていないが、Free Software FoundationのRichard M. Stallmanや、FunambolのCEOを務めるFabrizio Capobianco(WebアプリケーションにおけるFOSSの意義を以前から主張している一人)のような有名どころが彼の考え方に耳を傾けつつある。

SaaSとユーザーの自由を考えるグループautonomo.us

 Free Software Foundation(FSF)は7月14日(米国時間)、Web経由で配信されるサービスがユーザーの自由に与える影響などについて議論するグループ「autonomo.us」がオンラインで活動を開始したことを発表した。autonomo.usは同日、Webサイトで最初の声明文を掲載し、フリーソフトウェアとフリーデータの利用をよしとする見解を明らかにしている。

ずさんなライセンシングがプロジェクトと日々の暮らしを危うくする

 最近、無料で使えるiPhoneの制限解除ユーティリティ PwnageTool が、別の名前で何者かによって許可なく営利目的で再販されていたことが明らかになった。ソフトウェア開発者としては誰もが避けたい状況だが、PwnageToolのコード公開に伴うライセンス上の理由から、開発チームはさらに苦しい立場に追い込まれた。実は、ライセンスが付与されていなかったのだ。

GPLv3リリースから一年

 今から一年前の2007年6月29日、18ヶ月におよぶコミュニティや企業関係者との幅広い議論を経てGPL(GNU一般公衆利用許諾契約書)LGPL(GNU劣等一般公衆利用許諾契約書)の第3版がリリースされた。さらに11月にはAGPL(GNU Affero一般公衆利用許諾契約書)の第3版もリリースされた。FOSS(フリー/オープンソースソフトウェア)動向の専門家たちは現時点でのこれらのライセンスについて、成功度はほどほどだとしながらも、フリーソフトウェアの啓蒙に寄与し続けているという点で評価している。

クリエイティブ・コモンズ、ライセンスの標準表現方式を推進

 もしCreative Commons(CC)にこの件に関する何らかの発言権があるとしたら、ライセンス記述のための機械可読な記法である「Creative Commons Rights Expression Language(ccREL)」はすぐにもWebにおける標準になるだろう。ccRELはCCがWorld Wide Web Consortium(W3)の協力を一部受けつつ数年前から開発を進めてきたものだ。その仕様はCCの4人のメンバーによって概説書にまとめられ、技術とパブリック・ドメインの関係を調査する欧州のサイトCommuniaで公開されている。CCはccRELのプレゼンテーションを計画する一方、ccRELの必要性を積極的に説いて回っている。CCの最高技術責任者Nathan Yerglerも、最近バンクーバーで行われたOpen Web Conferenceで、Linux.comを相手にその熱意を遺憾なく発揮してくれた。

自由なソフトウェア開発活動の支援を通じて世界に貢献するBradley Kuhn氏

 Software Freedom Law Centerの創立メンバの1人であるBradley Kuhn氏は、フリーソフトウェアという理念の古くからの擁護者であり、FLOSSコミュニティにおいて最大の発言力を有す人物とも目されている。そして先日Linux.comは、以前にFree Software Foundationの取締役を務めていた同氏から最近の活動状況について話を伺うことができた。

小規模だが有意義なコンファレンスの範を示したOpen Web Vancouver

 昨年開催されたVancouver PHP Conferenceの成功を受けてVancouver PHP Users Associationの主催により本年4月14日から15日にかけて開催された今回のコンファレンスでは、Web世界におけるフリー/オープンソースソフトウェアのトレンドに興味を持つ350名以上の参加者が会場であるVancouver Trade and Convention Centerに参集することとなった。今回の講演は、Creative Commons、Facebook、Google、Mozilla Foundation、Sun Microsystemsといった大手だけでなくBar Campをきっかけに自主的に組織された団体からの演者も迎えており、比較的小規模なローカルコンファレンスが有益な情報を提供する場として活動する上での1つの範を示したと評していいだろう。

フリーソフトウェアの理念にそぐわないiPhone SDKの利用規約

 先日AppleからiPhone用のソフトウェア開発キット(SDK:Software Development Kit)がリリースされたが、同SDKを用いたオープンソースソフトウェアの新規開発や移植を考えていたのであれば、そうした用途にそぐわない利用規約にはなはだ失望させられることになるだろう。特にフリーソフトウェア開発の妨げとなるのは、守秘義務契約の存在とコード署名に起因する問題である。

SFLCがFOSSプロジェクトのための法律ガイドをリリース

 コピーレフトの考え方からコミュニティプロジェクトの法的立場に至るまで、FOSS(フリー/オープンソースソフトウェア)では法的な問題が次から次へと持ち上がってくる。しかしそのような法的問題の多くはコミュニティ界隈に広がる噂や誤解に基づくものだ。ソフトウェアプロジェクトを運営する人々が持つそのような誤解を減らすためにSFLC(Software Freedom Law Center)は、自由に配布することのできるガイド「 A Legal Issues Primer for Open Source and Free Software Projects 」をリリースした。このガイドはたった45ページと短い(目次などを除けばさらに短い)が、FOSSの法的な問題についての非常によくまとまった入門書で、対策としての選択肢が熟慮の上に簡潔にまとめられているのに加えて、実用的な助言も多数掲載されている。