米裁判所、オープンソースライセンスに著作権保護認める

 オープンソース開発者が著作権侵害を理由に商用ソフトウェア開発者を控訴していた件で、米ワシントン州にある連邦巡回控訴裁判所は8月13日(米国時間)、オープンソース開発者側の訴えを認める判決を下した。オープンソースライセンスにも著作権保護が認められた形となる。

 鉄道モデル制御技術を開発するオープンソースグループ、Java Model Railroad Interface(JMRI)の開発者、Robert Jacobsen氏は2006年、商用ソフトウェア開発者のMatt Katzer氏およびKatzer氏が勤務する米Kamind Associatesを相手取り、著作権侵害訴訟を起こしていた。

 Jacobsen氏はJMRIをベースとしたオープンソースアプリケーション「DecoderPro」を開発、SorceForge上で無料で提供していた。一方、Katzer氏とKamindは競合製品「Decoder Commander」を商用ソフトウェアとして提供したが、DecorderProを一部利用しているにもかかわらず、著作権や作者名を明記しないなど、JMRIのライセンスに従っていなかった。

 2007年、カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所は”オープンソースライセンスは大まかなものであり、Katzer氏に法的責任はない”と裁定、Jacobsen氏はこれを不服として控訴していた。

 今回、Jeffery S. White判事は前回の裁定を覆す判決を下した。Artistic License(JMRIが利用するライセンス)の条項は商用ソフトウェアでも有効であり、著作権は保護され、違反の場合は著作権侵害になるとし、Jacobsen氏の要求を認める内容となった。

 これを受け、スタンフォード大ロースクール教授で「Creative Commons」の提唱者Lawrence Lessig氏らは「重要な勝利」と賞賛している。

Java Model Railroad Interface(JMRI)
http://jmri.sourceforge.net

判決文
http://www.cafc.uscourts.gov/opinions/08-1001.pdf