米裁判所、オープンソースライセンスに著作権保護認める
鉄道モデル制御技術を開発するオープンソースグループ、Java Model Railroad Interface(JMRI)の開発者、Robert Jacobsen氏は2006年、商用ソフトウェア開発者のMatt Katzer氏およびKatzer氏が勤務する米Kamind Associatesを相手取り、著作権侵害訴訟を起こしていた。
Jacobsen氏はJMRIをベースとしたオープンソースアプリケーション「DecoderPro」を開発、SorceForge上で無料で提供していた。一方、Katzer氏とKamindは競合製品「Decoder Commander」を商用ソフトウェアとして提供したが、DecorderProを一部利用しているにもかかわらず、著作権や作者名を明記しないなど、JMRIのライセンスに従っていなかった。
2007年、カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所は”オープンソースライセンスは大まかなものであり、Katzer氏に法的責任はない”と裁定、Jacobsen氏はこれを不服として控訴していた。
今回、Jeffery S. White判事は前回の裁定を覆す判決を下した。Artistic License(JMRIが利用するライセンス)の条項は商用ソフトウェアでも有効であり、著作権は保護され、違反の場合は著作権侵害になるとし、Jacobsen氏の要求を認める内容となった。
これを受け、スタンフォード大ロースクール教授で「Creative Commons」の提唱者Lawrence Lessig氏らは「重要な勝利」と賞賛している。
Java Model Railroad Interface(JMRI)
http://jmri.sourceforge.net
判決文
http://www.cafc.uscourts.gov/opinions/08-1001.pdf