Mozilla、Ubuntuコミュニティの批判を受けEULA改定へ

 Mozilla FoundationがLinux向け「Firefox」のEULA(使用許諾契約書)の見直しを進めている。Mozilla Foundation会長、Mitchell Baker氏が9月15日(米国時間)、自身のブログで明らかにした。「Ubuntu」で「Firefox 3」を初回起動時、表示されるEULAについて、先週より、Ubuntuコミュニティを中心に疑問視する声が起こっていた。

 Baker氏は15日、「大きな間違いだった」と認め、方針を変更することを発表した。Baker氏はここで、この問題は、1)EULAの内容、2)ダイアログ形式での表示、3)必要性の3つと分析している。

 1)の内容については、「誤りである」とし、典型的なEULAではなく、コードはFLOSSライセンスで統治されていることを明確にすべきだったと記している。FLOSSライセンスを示すライセンスを作成したが、Ubuntuをはじめとしたディストリビューションに適用しなかったことは大きな間違いだったとしている。

 2)の表示については、「適切な内容であれば表示は悪いものではない」という見解を示しつつ、今後検討していくとした。3)についても、「FLOSSライセンスについて示すものなら、問題ではないのでは」としながらも、今後議論しながら決定していきたいと記している。Baker氏は16日付けのブログでも、EULAなしのFirefoxの可能性について記し、「内容がFLOSSベースのものであったとしても、EULAのようなものはじゃまになるということがわかった」とコミュニティのフィードバックを尊重している。

 15日には、Mozillaの法務担当副社長のHarvey Anderson氏が自身のブログにて、改定EULAの草案を公開している。改定案は、コードとサービスに2分割したもので、商標権利の排除、MPL(Mozilla Public License)への対応、Mozillaが提供するサービスについての条項をオプションにする、などの点が変更された。今後、フィードバックを参考に改訂作業を進めていくという。

Mozilla Foundation
http://www.mozilla.org

Mozilla Foundation会長、Mitchell Baker氏のブログ
http://blog.lizardwrangler.com/2008/09/15/ubuntu-firefox-and-license-issues/

Mozillaの法務担当副社長、Harvey Anderson氏のブログ
http://lockshot.wordpress.com/2008/09/15/firefox-eula-in-linux-distributions/