KDEのデスクトップ向けクラウドシステム「ownCloud 1.1」リリース

 KDE.orgは11月25日、「ownCloud 1.1」を公開した。ownCloudを利用することで、ユーザーは第3者が提供するクラウドサービスを利用することなく、自分のファイルにどこからでもアクセスできるクラウド環境を構築できるという。

 ownCloudは、2010年1月の「Camp KDE 2010」でFrank Karlitschek氏がその計画を発表したプロジェクト。「すべてのデータをユーザー自身でコントロールできる」「どこからでも、どんなデバイスからでもアクセスできる」「オンラインでもオフラインでも利用できる」といったコンセプトの下で開発されている。ユーザーが用意したサーバーマシンにインストールして利用するサーバーソフトウェアで、Webブラウザ経由でのファイルアクセスやwebDAV経由でのマウント機能などを備えている。

 Googleが提供するGmailやGoogle Docs、Ubuntuの「Ubuntu One」といったクラウドサービスは非常に有用だが、そのようなクラウドサービスではデータがユーザーの管理下にないないことが問題視されていた。ownCloudはユーザーが完全にコントロールできる環境下にデータを保存することで、このような問題への対処を行っている。

 ownCloud 1.1では、6月に公開されたバージョン1.0のバグを修正されたほか、プラグインシステム、ユーザー管理制御などが導入された。プラグインシステムにより、開発者はアドオンを容易に作成できる。また、テーブルの接頭辞(デフォルトは「oc_」)により、データベースで他のアプリケーションとともにインストール可能となった。「PostgreSQL」の実験的サポートも加わっている。

 ownCloudのコンセプトには「自動バックアップ」や「バージョニング」、「暗号化」、「ストレージ領域を簡単に拡張できる」、「ファイルの容易な共有」などが挙げられており、今後はこのような機能の実現に向け実装が進められる。

ownCloud.org
http://owncloud.org/