オープンソースのオンラインストレージソフトウェア「ownCloud 3」リリース、オンラインエディタや機能拡張などをサポート
オープンソースのファイル共有ソフトウェア「ownCloud」を開発するownCloudコミュニティは1月30日(米国時間)、最新版「ownCloud 3.0」を公開した。Webブラウザ上で動作するエディタ機能や、ownCloudの機能を拡張できるアプリ機能などが特徴となる。
ownCloudはDropboxやiCloudといったクラウド型ストレージサービスの代替を目指すオンラインストレージソフトウェア。ユーザーが所有するサーバー上で動作させるのが特徴で、Webブラウザ経由でのファイルアップロード/ダウンロードやプレビュー/編集機能を備えるほか、WebDAV経由でのアクセスもサポートする。KDE Communityのイベントで2010年にスタートしたプロジェクトで、さまざまな端末からファイルにアクセスできるプラットフォームを目指すという。ライセンスはAGPL 3。すでに35万以上のユーザーを抱えるという。ownCloudの開発チームは2011年12月に同名の企業を立ち上げ、ownCloudの商用サービスを提供すると発表している。
ownCloud 3では、新たにWebブラウザ上でテキストを編集できるエディタ機能が加わった。アップロードされたテキストファイルをグループで共同編集する機能もある。エディタ機能はJavaScriptで実装されている「ACE」ベースのもので、35種類のプログラミングに対応、シンタックスハイライト、キーボードショートカット、ドラッグ&ドロップ、自動インデントなどの機能を持つ。現時点ではテキストのみをサポートするが、今後はWord(.doc形式)やOpenDocument形式(.odt形式)のオンライン編集サポートも計画しているという。
そのほかの機能としては写真の閲覧やアルバムの作成が行える「Photo Gallery」機能や、JavaScriptで実装されたPDFビューア「pdf.js」ベースのPDF閲覧/印刷機能などが搭載されている。カレンダー機能でも、インターフェイスの一新、イベントの繰り返し設定、タイムゾーン自動検出などの改良が加わっている。
また、アプリケーション機能も搭載された。サードパーティが作成したアプリケーションや拡張をインストールすることで機能を拡張できる。開発者は開発した拡張機能をアプリストア「apps.owncloud.com」で公開でき、またユーザーは管理インターフェイスからアプリを直接インストールできるという。
ownCloudはプロジェクトのWebサイトより入手できる。利用にはApache HTTP ServerなどのWebサーバーおよびPHP 5.3以上、MySQLやSQLiteなどのデータベースが必要。
ownCloud
http://www.owncloud.org/