IMを直接統合した初のリリース「KDE Software Compilation 4.7」がリリース

 KDEは7月27日、最新のデスクトップ環境「KDE Software Compilation(SC) 4.7」を発表した。デスクトップからモバイル機器までをサポートする「Plasma Workspaces」や各種KDEアプリケーションのアップデート、マルチメディアやインスタントメッセージング(IM)関連の改良などが特徴となる。

  KDE SCは「KDE Plasma Workspaces」および「KDE Applications」、「KDE Platform」で構成される。KDE Plasma Workspaces(Plasma Desktop WorkspaceとPlasma Netbook Workspace)では、UI構築技術「Qt Quick」をはじめとしたQtの最新技術を活用した。ウィンドウマネージャ「KWin」でOpen GL-ES 2.0をサポート、より幅広いモバイル端末で利用できるようになり、性能も改善された。また、「Oxygen」アイコンを一新し、パネルアイテムと通知エリアの一貫性も改良されている。Oxygen GTKテーマも改善、GNOMEなどGTK+を利用するアプリケーションもシームレスに表示できるという。

 デスクトップへのインスタントメッセージングの統合も特徴となる。KDE-Telephathyチームが開発した「KDE-Telepathy 0.1.0」がデスクトップに統合されGoogleTalkやFacebookなどのチャット機能をデスクトップから利用できる。まだ技術プレビュー段階ではあるが、「歴史的な最初のリリース」となるという。

 KDE Applicationsでは、ファイルマネージャ「Dolphin」のユーザーインターフェイスが強化された。ファイル検索インターフェイスを改善し、ソースコード管理システムとの統合も強化された。これにより、Dolphinからのレポジトリ作成やクローン、diffビューなどが可能となった。このほか、グループウェア「Kontact」、バーチャル地球儀「Marble」なども強化が図られている。

 Plasma WorkspacesとApplicationsの土台となるKDE Platformでは、メディアフレームワーク「Phonon」やセマンティックデスクトップ技術「Nepomuk」などで多数の変更が加わった。ディスプレイマネージャ「KDM」ではGRUB2との連携機能が加わり、システムの再起動時に次に起動するOSを選択できるようになった。

 また、1万2000以上ものバグ修正なども行われ、安定性も強化されている。

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