オンラインストレージソフトウェアの商用サービスを提供する「ownCloud.com」設立。サービス開始は3か月後を予定

 オープンソースのオンラインストレージソフトウェアを開発するownCloudプロジェクトは米国時間の12月14日、ownCloudの商用サービスを提供する企業「ownCloud.com」の設立を発表した。元SUSE/Novellの幹部がCEOに就任、Dropboxなどの既存商用サービスに対抗する。

 ownCloudは、KDEコミュニティ内でFrank Karlitschek氏が立ち上げたプロジェクト。リモートからのアップロード/ダウンロードやファイル共有・公開機能を持つオンラインストレージソフトウェアを提供する。ownCLoudはWebDAVやCalDAV、OpenID、LDAP、WebFingerといった標準技術を利用し、インターネット経由でPCやスマートフォン、タブレットといった端末からファイルにアクセスできる。サーバーソフトウェアはLinux上で動作し、ApacheやPHP、MySQLまたはSQLiteといったオープンソース技術を利用している。

 ownCloudは10月にバージョン2が公開されており、ユーザー数は35万人を数えるという。現在、イメージギャラリー、オンラインテキストエディタ、暗号化といった機能や、Android向けモバイルアプリなどの開発も進められている。

 新たに立ち上げたownCloud.comは、ownCloudのサポートや関連サービスなどの商用サービスを提供する営利企業となる。この分野ではすでにDropboxやbox.netなどのサービスがあるが、柔軟性、安全性、高い管理機能などを差別化ポイントとする。自前のハードウェアやストレージ、あるいはAmazonなどのパブリッククラウドの両方で実装できる点や、オープン技術およびHTML5 Webインターフェイスの採用により、さまざまなOSや端末からアクセスできる点も強調している。

 NovellでSUSE部門を率いていたMarkus Rex氏がCEOとCTOを兼任、プロジェクト創始者のKarlitschek氏がプロジェクトリーダーとして、オープンソースプロジェクトとコミュニティーをまとめる。ownCloudは同日、ベンチャーキャピタルからの出資を受けたことも明らかにしている。

 プロジェクトのWebサイトによると、約90日後にサービスをローンチする予定という。

米ownCloud
http://owncloud.com/

ownCloud.org
http://owncloud.org/