プライベートクラウドシステム「Eucalyptus 3」発表、第4四半期に提供開始へ

 米Eucalyptus Systemsは8月24日(米国時間)、オープンソースのプライベートクラウドソフトウェア「Eucalyptus 3」を発表した。高可用性を組み込んだアーキテクチャを特徴とし、企業からのニーズにこたえるとしている。

 Eucalyptusはカリフォルニア大学サンタバーバラ校の研究プロジェクトから生まれたクラウドソフトウェアで、これを利用してデータセンター内にIaaS型のプライベートクラウドを構築できる。

 最新版では、高可用性とリソースアクセス制御が特徴となる。高可用性では、単一障害点のないアーキテクチャにすることで、何らかの原因でシステムがクラッシュしても、別の物理マシン上で同時に動いているホットスペア用のサービスを起動できるという。このときシステムの運行に支障をきたすことはなく、サービル品質レベルを維持できるという。

 リソースアクセス制御も大きく改善した。Amazon Web Services互換のIdentity and Access Management APIをサポート、管理者はユーザーグループ管理の微調整が可能になり、組織全体でのクラウドの利用を包括的に管理できるという。MicrosoftのActive Directoryやその他のLDAPとの連携も強化した。

 Eucalyptus Systemsによると、Eucalpytusは2万5000以上の組織や個人で利用されているという。一方で、「Ubuntu Server」でEucalpytusをサポートしてきた英Canonicalは、次期版(「Ubuntu 11.10」)では、デフォルトを「OpenStack」に変更する計画を明らかにしている。

 Eucalyptus Systemsは今後、Eucalyptus 3のプレビュー版を1ヶ月以内にリリースし、正式版は2011年中に公開の予定。

米Eucalyptus Systems
http://www.eucalyptus.com/