オープンソースのクラウドインフラOpenStack、最新版「Diablo」を公開
オープンソースのクラウドインフラ開発プロジェクトOpenStackは9月22日(米国時間)、最新版となる「OpenStack 2011.3(Diablo)」を公開した。ダッシュボード、ID管理、ネットワークの3プロジェクトが新たに加わり、ユーザーのニーズに応えた。
OpenStackは米RackSpaceと米航空宇宙局(NASA)が開始したオープンソースのIaaS(Infrastructure as a Service)プロジェクト。仮想プライベートサーバー向けプロビジョニング/管理システム「OpenStack Compute」(Nova)とストレージシステム「OpenStack Object Storage」(Swift)、イメージサービス「OpenStack Image Service」(Glance)の3つのコアプロジェクトを持つ。「Nova」はNASAが開発するクラウドコンピューティングプラットフォーム「Nebula」を、SwiftはRackSpaceのファイルストレージシステム「Cloud Files」をベースとしており、プロジェクトには米Citrix Systems、NTTデータなど約110社が参加。米Hewlett-Packard、米Dellなどが自社製品に用いている。
OpenStack 2011.3は4月に公開された「Cactus」以来4回目のリリースとなり、Webベースのユーザーインターフェイス「OpenStack Dashboard」(Dashboard)と認証管理機構「OpenStack Identity」(Keystone)の2つのプロジェクトが新たに加わった。DashboardはNebulaが主導するプロジェクトで、管理者やユーザーがクラウドベースのリソースをプロビジョニングできるセルフサービスポータルを提供する。Keystoneは既存の認証システムとの連携を可能にするもので、RackSpaceが開発を主導する。これら2つのプロジェクトは、次期版(開発コード「Essex」)でコアプロジェクトに昇格する予定とのこと。そのほか68の新機能を実装し、560以上のバグを修正したという。
OpenStackはまた、インキュベーションプロジェクトとして「OpenStack Quantum」も発表した。米Cisco Systems、Citrixらが主導するもので、クラウドのネットワーク部分をカバーする。仮想ネットワークを動的にリクエスト・設定するAPIの提供を目指して、今後開発を進めるという。
このほか、既存の3つのコアプロジェクトも強化されている。たとえばNovaでは、ゾーンをまたぐ分散スケジューリング機能や高可用性モードが追加された。Swiftでは、コンテナ単位で特定のコンテナを選択してデータを複製するマルチクラスタコンテナ同期機能が加わった。
プロジェクトでは、これら新機能は企業やサービス事業者からのユーザーの要求が高かったものと説明している。
OpenStack
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