AWS互換のクラウドソフトウェア、米Eucalyptusが最新版「Eucalyptus 3.2」を発表

 米Eucalyptus Systemsは11月26日、オープンソースのクラウドインフラストラクチャ構築ソフトウェア「Eucalyptus 3.2」を発表した。クラウドリソースの管理や制御関連機能を強化、クラウド管理をより簡素化できるという。

 Eucalyptusはリフォルニア大学サンタバーバラ校(UCSB)によって開発が始められたクラウドインフラプラットフォーム。現在はEucalyptus Systemsによって開発が進められている。Amazonが提供するEC2などのクラウドサービスと互換性を持つAPIを提供している点が特徴で、EC2、S3、EBS(Elastic Block Store)、IAMなどのAPIをサポートする。プライベートクラウドだけでなく、パブリッククラウドと組み合わせたハイブリッドクラウドの構築にも対応する。

 Eucalyptus 3.2は、バージョン3.1をベースに機能強化を加えたものとなっており、特にクラウドの管理や制御機能が改善されている。まず、コンピューティングやネットワーク、ストレージといったリソースを管理できるWebベースのGUIコンソール機能が追加された。ユーザーはこれを利用してインスタンスのプロビジョニングやキーペアおよびパスワードの生成、EBSボリュームやスナップショットの操作を行える。

 クラウド利用に関するリポート機能も改善された。コンピューティングやストレージ、メモリ利用に関するレポートをユーザー、ユーザーグループ、クラウドの3レベルで生成できる。そのほか、ノードコントローラの強化によってアプリケーションの可用性も改善されている。

 ストレージサポートも拡大し、JBOD StorageやEMC VNX SAN Storageをサポートするアダプタが加わった。JBOD Storageはローカルストレージの上にEBS機能を重ねるもので、AWS EBS APIオペレーションをフルサポートする。EMC VNX SAN StorageはEMCのVNXシリーズSANに対応するためのアダプタ。

 Eucalyptus 3.2は12月に提供を開始する。オープンソース版は同社Webサイトのダウンロードページよりダウンロードできる。

米Eucalyptus Systems
http://www.eucalyptus.com/

EucalyptusのGitリポジトリ
https://github.com/eucalyptus/eucalyptus