クラウド基盤ソフトウェアEucalyptus、次期版は完全にオープンソースに

 クラウドコンピューティングプラットフォームを提供する米Eucalyptus Systemsは6月19日(米国時間)、次期版「Eucalyptus 3.1」よりエンタープライズ版とオープンソース版を1本化するという方針を発表した。GitHubでコードを公開し、開発を進める。

 Eucalyptusはプライベートクラウド向けクラウド基盤ソフトウェアで、IaaS(インフラ・アズ・ア・サービス)に分類される。米カリフォルニア大学サンタバーバラ校が研究した技術をベースとしており、Amazonの各種WebサービスとAPI互換がある。同様のIaaS技術にはOpenStackやCloudStackなどがあり、たとえば「Ubuntu」の英CanonicalがサポートするIaaSをEucalyptusからOpenStackに変更するなど、競争が続いている。

 EucalyptusはオープンソースのIaaSだが、これまではエンタープライズ版とオープンソース版の2つのエディションで開発を進めてきた。次期版のバージョン3.1では開発モデルを変更し、オープンソース版に一本化する。コードの入手は完全に無料となり、有料顧客に対しては引き続きサポートサービスの提供を行っていく。一元化することで開発スピードを加速し、エコシステムの拡大を図る。

 Eucalyptusの特徴はエンタープライズ環境でも十分に運用できる点で、次期版であるEucalyptus 3.1ではオンプレミスのクラウド実装向けプラットフォーム機能を導入した。米Red Hatと提携し、Red Hatの仮想化(「Red Hat Enterprise Virtualization」)またはVMwareで動く「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)」上でAmazon EC2(Elastic Compute Cloud)、EBS(Elastic Block Store)、S3(Simple Storage Service)、IAM(Identity and Access Management)とAPI互換のあるハイブリッドクラウドを実装できるという。

 また、設定作業を高速化する新機能「FastStart」も搭載。セルフサービスコンセプトを導入してクラウドの設定作業を一部自動化して、20分以内に設定できるという。FastStartはCentOS/XenまたはCentOS/KVMで実装できる。

 Eucalyptus 3.1のコード はすでにGitHubで公開されている。ライセンスはライセンスはGPLv3。リリースは6月末の予定という。

米Eucalyptus Systems
http://www.eucalyptus.com/