Xen、KVM、VMwareに対応するプライベートクラウド管理ツールキット「OpenNebula 3.0」発表

 OpenNebula Projectは10月3日、オープンソースのクラウドコンピューティング管理ツールキット「OpenNebula 3.0」(コード名「Iris」)を発表した。さまざまな環境が混在する複雑な分散データセンターインフラを管理するためのツールを提供する。

 OpenNebulaは、ユーザーが所有・管理するインフラ内でIaaS(Infrastructure as a Service)型クラウドを稼働させるためのツールキット。このような環境は「プライベートクラウド」などとも呼ばれている。また、外部のクラウドサービスを操作する機能も備えており、プライベートクラウドと連携させて運用することもできるという。

 クラウドの核となる仮想化技術としてはXenおよびKVM、VMwareに対応、またAmazon EC2やOGF OCCI(Open Cloud Compute Interface)、vCloudなどのクラウドAPIもサポートする。オープン性、相互運用性、エンタープライズレベルの機能などを特徴とし、月間ダウンロードは5000回を超えるという。プロジェクトは9月26日、米Microsoftと協業してMicrosoftの「Hyper-V」をサポートすることも発表している。

 OpenNebula 3.0では、グループ管理機能によりマルチテナントサポートが加わった。仮想データセンターをオンデマンドでプロビジョニングする「Virtual Data Centers(VDC)」を利用してユーザーとリソースを隔離できる。これらを利用して、管理者はユーザーグループを作成し、同じインフラを共有するグループを複数作成するマルチテナントが可能となる。

 また、仮想インフラおよび物理インフラ向けに高度な管理・モニタリング機能を用意したほか、認証管理も強化した。高精度なACL(アクセス制御リスト)を持つ認証フレームワークにより、ユーザーや管理者のさまざまな役割をサポートできる。

 OpenNebula 3.0はプロジェクトのWebサイトより入手できる。

OpenNebula Project
http://www.opennebula.org/