MozillaがFirefoxアドオンの性能管理に着手、開発者に性能テストツール提供へ
Mozillaは4月1日、Firefoxアドオンの性能に関する新しい取り組みを発表した。アドオンによるFirefoxの性能劣化を最小限にするための取り組みで、人気のあるアドオンについて性能テストを行い結果を公開する。
MozillaではサードパーティによるFirefoxアドオンのエコシステムを重視しているが、アドオンはFirefoxの速度を低下させることが知られていた。Mozillaでは1個のアドオンが起動時間に与える影響を10%程度としており、アドオンを10個インストールした場合、起動時間は倍になると報告している。
Google Chromeの登場によりWebブラウザの性能競争が激しくなる中、Firefoxも高速化を図っており、今回の取り組みはアドオン開発者に対し性能への影響を抑えるよう改善を促すものとなる。
実際の活動としては、まずアドオンギャラリーで公開されている人気アドオン上位100に対し自動性能テストを毎週実施し、結果を公表する。初回テスト結果はすでに公表されており、「FoxLingo – Translator / Dictionary」と「Firebug」が「ともに74%起動時間を遅くする」という、最も影響が大きいアドオンとなった。テスト範囲は数か月以内に拡大し、読み込み時間に関する性能も調べるという。
関連して、数か月以内に開発者向けに同じ環境でテストできる性能テスト機能を提供する。また、ベストプラクティスの公開など性能改善の支援も行う。
また、2週間以内にアドオンギャラリー内の「起動時間を25%以上遅くするアドオン」に対して警告を表示することも予定されている。Firefox次期版ではさらにこの取り組みを進め、アドオンマネージャで警告が表示されるようにする予定とのこと。なお、前述のテストで25%を越えたアドオンは現在9個あるとのこと。
このほか、Firefox次期版ではオプトインインストールを厳格化し、ユーザーの許可なしにサードパーティのアドオンがインストールされないように徹底する。これにより、ユーザーの知らぬ間に性能を劣化させるようなアドオンがインストールされていた、といった事態がないようにする。
Mozillaは開発者に対し、アドオンの速度改善のため、テスト、学習、最適化などの作業に取り組むよう助言している。
Mozilla
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