遂に日本語に対応した「Linux Mint 6」

 現在もっとも人気の高いデスクトップ用Linuxディストリビューションのひとつといえば間違いなくUbuntuだが、そのUbuntuにはさまざまな派生バージョンが存在する。今回紹介するLinux Mintはそのエレガントな外観(図1)と操作性の良さでダントツの人気を誇っているUbuntuベースのディストリビューションだ。DistroWatchにおける、ここ12ヶ月のページヒットランキングではUbuntu、OpenSUSEに続いて3位に付けていることからも、その注目度のほどをうかがい知ることができるだろう。

Ubuntuの論理ボリュームマネージャ概説

 ハードディスクはアクセス速度が遅く、故障も多い。さすがにワーキングメモリとして使われることはなくなったが、固定サイズのハードディスク・パーティションは今なおストレージ領域の主流である。そのため、速度やデータ損失の問題だけでなく、サーバをインストールする際のパーティションサイズの計算が正しいか、また(ほとんど未使用のパーティションがほかにあるのに)特定のパーティションだけが空き領域不足に陥っていないかにも気を配る必要がある。さらに、実稼働中のシステムで物理ボリュームの境界を越えるパーティションの移動が必要になったりするとかなり厄介だ。

コミュニティの結束力を高めるUbuntu主催のFOSSCamp

 6か月ごとにさまざまな開催地で開かれる1週間にわたるUbuntu Developer Summit(UDS)は、Ubuntuの次期リリース版について議論する場である。一方、ほとんど宣伝されることのないFOSSCampは、必ずその直前の週末に開催される。アンカンファレンス(un-conference)であるFOSSCampにはプログラムは存在せず、招待講演者もなく、お金もかからない。マニアックなWoodstock(1969年に開かれたロックコンサート)のようだがそれよりも小規模なこのUbuntuのイベントが、つい先ほど開催された。

インストール済みUbuntuのクローンを新しいハードディスクに作成する

 システムのハードディスクを新しいものに交換し、それを新たに起動ディスクとしたい場合があるだろう。Ubuntuのクローンを別のハードディスクに作成するのは容易だ。Ubuntuでは、ハードディスク全体のクローンを作成するツールが提供されている。Windowsパーティションがある場合は、それも含めてクローンを作成する。実はこのような基本作業は、Linuxの得意とする分野なのである。

DebianおよびUbuntuシステムのパッケージ管理用スクリプト

 Distrowatchの公表するダウンロード数上位10ディストリビューションのうち5つがDebianのパッケージングシステムを採用している。このシステムは各種ユーティリティを豊富な揃えたインフラストラクチャへと発展を遂げ、そこには基本的なコマンドであるapt-getとdpkgだけでなくapt-cache、apt-spy、apt-listbugsといったあまり知られていないコマンドも含まれる。ほかにも、既存ユーティリティのマッシュアップやオリジナルのものなど、さまざまなスクリプトがopenDesktop.orgのようなサイトで手軽に入手できる。こうしたスクリプトを使えば、Debianベースのパッケージングシステムの利用手順を効率化できたり、ソフトウェアのインストール環境についての適切な判断に役立つ情報が得られたりする。

Linuxの水準を引き上げたUbuntu Intrepid Ibex

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 新たなUbuntuがリリースされるたびに、ほかのLinuxディストリビューションを見る目が厳しくなる。最新のUbuntu 8.10(コードネームIntrepid Ibex)が注力しているのは、モビリティと3Gネットワークのサポートだ。高速で安定したリリースというのがIntrepidに対する私の印象だが、小さな問題がいくつか見受けられ、まだ完全とはいえない。

Ubuntu用簡単バックアップ・ツール、TimeVault

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 データのバックアップは通常難しいことではないが、場合によっては面倒なこともある。たとえば、前回のバックアップ以降に変更されたファイルだけをコピーするのは十分に厄介だし、自分で忘れずにバックアップしなければならなかったり古いバックアップを削除して空き領域を確保しなければならなかったりすればなおさらだ。そうしたことを面倒に思ってデータのバックアップをやめてしまい、ファイルを間違って削除したりシステムがクラッシュしたりして、ほぞをかむことがある。そうしたバックアップに伴う問題を解決してくれるのがUbuntu用バックアップユーティリティーTimeVaultだ。

DebianとUbuntuシステムで入手可能なパッケージ情報

 Linuxの初心者なら自動アップデートやデスクトップツールで得られるパッケージ情報で満足するかもしれないが、経験を積んでくると注意深くなり要求水準も高くなるものだ。たとえば、アップグレードに着手する前に依存性を調べてリスクを評価したり、古いリポジトリーにあるバージョンを使うことでパッケージ間の競合を避けたりする。Debianは古くから高度な利用者を対象としており、apt-cacheコマンドやディストリビューションのWebサイトなど、その種の情報を入手する手段がいくつかある。Ubuntuでは、最近できたUbuntu Simple Package Crawlerもある。しかし、残念なことに、必要と思われる機能をすべて備えた情報源はない。
2008-11-05 17:47:00 更新(初出時の間違いを修正)

ソフトウェア開発者必見のWorkbench Linuxディストリビューション

  Workbench は、FOSSツールを活用したアプリケーション構築に携わっている開発者にとって、理想的なLinuxディストリビューションの1つと評していいだろう。しかもこれは各種の開発ツールを網羅したディストリビューションというだけでなく、日常的な用途に使うアプリケーション群や外観を彩るための小物類もバンドルされているため、通常のデスクトップ用途に供したとしても、まったく場違いではないのだ。

Mozilla、Ubuntuコミュニティの批判を受けEULA改定へ

 Mozilla FoundationがLinux向け「Firefox」のEULA(使用許諾契約書)の見直しを進めている。Mozilla Foundation会長、Mitchell Baker氏が9月15日(米国時間)、自身のブログで明らかにした。「Ubuntu」で「Firefox 3」を初回起動時、表示されるEULAについて、先週より、Ubuntuコミュニティを中心に疑問視する声が起こっていた。

ローカルIMAPサーバの構築方法

 インターネットサービスプロバイダ(ISP)のサーバからメールを取得するように普通のやり方で電子メールクライアントを設定するだけでは、十分に対応しきれない状況もある。たとえば、デスクトップPCの補助用にノートPCを導入している場合や、ときおりパートナーのコンピュータを使って自分のメールを読む場合だ。そうした状況では、自分が使うすべてのクライアントマシンでメールの同期を取るという課題にぶち当たる。POP3(Post Office Protocol)の代わりにIMAP(Internet Mail Access Protocol)を使うという手もあるが、その場合はすべてのメールをISPのサーバにためておく必要があり、それはそれで問題が残る。ここでは、自分のネットワーク上にメールの読み出しと保管用のサーバを1台セットアップすることで、メールクライアントが何台あってもメールを同じように扱えるようにする方法を紹介する。

UbuntuライブCDをカスタマイズするツール、UCK

 ライブCDは、ハードドライブに何もインストールせずにオペレーティング・システムを起動することができるすぐれものだ。Linuxには多くのライブCDがあり、それをカスタマイズするツールも多い。 Ubuntu Customization Kit (響きよくUCKと呼ばれる)もその一つで、ディストリビューションに任意のアプリケーションを追加することができる。既製のUbuntuライブCDではアプリケーションのラインナップに満足できないという人も、UCKを使えば自分好みのライブCDを大した手間をかけずに作ることができる。

GNU/Linuxのパッケージ販売

 8年前、パソコンショップでは定番のCaldera、Red Hat、SUSEだけでなく、新参のCorel、Progeny、StormixといったGNU/Linuxディストリビューションのパッケージ販売(箱売り)が行われていた。現在、パッケージ販売されているのはUbuntuopenSUSEだけだ。両者とも、ほかのディストリビューションでは解決できなかった、安い価格での機能セットの提供、販売チャネルの開拓、適切なマーケティング手法の探索など、さまざまな課題に直面している。しかし、どんなに努力してもわずかな利益しか見込めないことから、おそらくこうした取り組みには収益面以外の理由があると考えられる。