「OpenStack 2012.10(Folsom)」リリース、「Quantum」などがコアコンポーネントに昇格

 OpenStack Foundationは9月27日(米国時間)、オープンソースのクラウドプラットフォームOpenStackの最新版「OpenStack 2012.2」(コードネーム「Folsom」)を公開した。仮想ネットワーク管理サービス「Quantum」やボリュームストレージサービス「Cinder」がコアプロジェクトに昇格するなどの変更が加えられている。

 OpenStackは米Rackspace Hostingと米航空宇宙局(NASA)によって開発がスタートしたオープンソースのIaaS(Infrastructure as a Service)基盤。現在では非営利組織であるOpenStack Foundationがその開発を主導している。同Foundationのプラチナメンバーには英Canonicalや米Hewlett-Packard(HP)、米IBM、米Red Hat、SUSE(米The Attachmate Group)などが名を連ねている。

 今回リリースされたFolsomは4月に公開されたEssex(OpenStack 2012.1)に続く6回目のメジャーリリースバージョンとなる。加わった新機能や機能強化は185を超えるという。

 大きな変更点としてはまず、2011.3(Diablo)で実験的なものとして追加されていたネットワーク制御サービス「Quantum」が、「OpenStack Networking」としてコアプロジェクトに昇格した点が挙げられる。Quantumは「サービスとしてのネットワーク(Network as a Service)」を実現するもので、ソフトウェアによるネットワーク構成の制御(SDN)をサポートする。米VMwareが買収したNiciraや米Cisco Systemsらが開発を主導しており、オープンソースの仮想スイッチ「Open vSwitch」やオープンソースのネットワークOS「Ryu」、標準のLinuxブリッジ接続など、異なるバックエンド技術サポートする。NiciraやCisco、NECなどの商用ソリューションも利用できるという。

 同じくコアプロジェクトなったCinder(「OpenStack Block Storage」)は、OpenStack Compute(コードネーム「Nova」)のサブコンポーネント(nova-volume)だったものが独立したプロジェクト。既存のOpenStack Volumes実装をサポートしつつ、ブロックストレージ機能を独立させて開発を進めていく。

 このほか、NovaやSwift(「OpenStack Object Storage」)、Horizon(「OpenStack Dashboard」)など各コンポーネントが強化された。Microsoftのハイパーバイザー「Hyper-V」サポートも復活している。

OpenStack Foundation
http://www.openstack.org/