オープンソースIaaSの「Apache CloudStack 4.0」公開ーーApacheプロジェクトとして初のリリース

 Apache CloudStackプロジェクトは11月6日、オープンソースのクラウドインフラストラクチャ構築ソフトウェア「Apache CloudStack 4.0.0-incubating」を公開した。米Citrix SystemsによるApache Software Foundation(ASF)へのプロジェクト寄贈後、ASFからリリースされる初のバージョンとなる。

 Apache CloudStackは仮想マシンの作成や仮想化されたリソースの管理、一元化されたユーザー管理などの機能を持つソフトウェア。これを利用することで、Infrastructure as a Service(IaaS)型のクラウド環境を構築できる。クラウドを管理するためのAPIも提供し、外部ツールとの連携によりさまざまな自動化が可能となる。元々はCitrixが2011年7月に買収したCloud.comの技術で、買収後はオープンソースプロジェクトとして開発を進めていた。その後2012年4月にプロジェクトをASFに寄贈、ASFのインキュベーションプロジェクトとなった。

 CloudStack 4.0では、Amazon Web Services(ASW)APIのサポートが加わった。これまでは本体とは別のパッケージとして提供していた「Cloudbridge」を統合、これを利用してAWSとの互換性を確保できる。

 このほか、SDN(Software Defined Network)を実現するNicira(米VMware)のネットワーク仮想化プラットフォーム「NVP」のサポートや仮想プライベートクラウド(VPC)など、仮想ネットワーク分野を中心に機能が強化されている。VPCではInter VLANルーティング(VPC)や拠点間VPNなどの機能があり、階層構造のあるアプリケーションの作成や階層間での仮想ルーター実装などが可能になる。セカンダリストレージとしてCaringoをサポートし、分散ストレージ技術Ceph RBD(Rados block device)サポートも加わった。

 CloudStack 4.0はプロジェクトのWebサイトより入手できる。なお、CloudStackはライセンスとしてこれまでGPLを利用していたが、ASFの規定に沿いApache License 2.0に変更されている。

Apache CloudStack
http://incubator.apache.org/cloudstack/