複数の異なるクラウドサービスを統一的にREST APIで操作できる「Apache Deltacloud 1.0」リリース

 Apache Software Foundation(ASF)は8月1日(米国時間)、「Apache Deltacloud 1.0」をリリースした。複数のクラウドプロバイダを統合的に扱うためのAPIサーバーおよびドライバ集で、複数の異なるクラウドを一元管理することを可能にする。

 Apache Deltacloudはクラウド間の差異を隠蔽して抽象化するAPIセットを開発することで、さまざまなInfrastructure as a Service(IaaS)型クラウドの相互運用性向上を目指すプロジェクト。当初は米Red Hatで開発され、その後ASFに寄贈された。2011年秋にASFのトプレベルプロジェクト(TLP)に昇格している。

 Apache Deltacloudでは各クラウドサービスごとに「ドライバ」と呼ばれるレイヤーを用意することで、異なるクラウドサービスを統一的に操作できる。クライアントはDeltacloudサーバーが提供するREST APIでクラウドの操作を行い、それに応じてDeltacloudサーバーがドライバ経由で各クラウドを操作する、というアーキテクチャを持つ。

 対応するクラウドサービスプロバイダはAmazon EC2やEucalyptus、OpenStack、VMware vSphere、OpenNebula、Rackspace、Red Hat Enterprise Virtualization、富士通のFGCP(Fujitsu Global Cloud Platform)、IBM SBC(Smart Business Cloud)など。また、Amazon S3やMicrosoft Azure、Google Storageなどのクラウドストレージサービスも一部サポートする。開発者はこれを利用して、クラウドインスタンスの管理やアプリケーションのメンテナンスなどを改善できるとしている。

 Apache Deltacloud 1.0は初の正式版となり、Deltacloudプロジェクトが定義したAPIおよびDistributed Management Task ForceのCloud Infrastructure Management Interface(CIMI)標準APIを提供するフロントエンドに加え、Amazon EC2が利用するAPIを提供するフロントエンドが加わった。これにより、EC2 APIを使用するアプリケーションをDeltacloudがサポートするほかのクラウドで動かせるとしている。

 DeltacloudはApacheのプロジェクトページより入手できる。ライセンスはApache License 2.0。

Apache Deltacloud
http://deltacloud.apache.org/