Androidにおける知的所有権侵害が認められる――Oracle対GoogleのJava訴訟
「AndroidがJavaの知的所有権を侵害している」という米Oracleの主張を受けて始まったOracle対Googleの係争で、北カリフォルニア北部地区連邦地方裁判所の陪審員は5月7日(米国時間)、AndroidがJavaの著作権を侵害しているとする一部評決を下した。だがGoogleが主張するフェアユースについては意見が分かれたままとなったようだ。
この係争は、2010年8月にOracleがGoogleを訴えて以来続いているもので、AndroidがJavaの知的所有権を侵害しているかどうかが争点となっている。Oracleは同年1月に買収した米Sun MicrosystemsよりJavaの知的所有権を引き継いでおり、Androidが使用するJava技術は自社の知的所有権を無断で使用していると主張。これによる被害総額は最大61億ドルとも主張していた。
3月にはGoogleがOracleに対し損害賠償を支払う提案を行ったものの合意には至らず、そのため4月中旬に裁判が再開された。裁判では主として著作権と特許が争点となっており、今回の評決は著作権に関するもの。ここでOracleはAPIについて著作権を主張するいっぽう、Googleは「APIは著作権保護の対象外とするべき」と主張していた。
陪審員による評決では、「Oracleは、Googleが著作権を保有している作品の全体の構造、シーケンス、組織構造を侵害したことを実証したか」という点については認められたが、「Googleがこれがフェアユースであることを実証したか」という点については賛否が決まらなかった。なお、OracleはGoogle以外の企業とJavaのライセンス契約を行っている点にも触れ、「Googleはライセンスを取得する必要があったことを知っていた」との声明文も出している。
この評決を受け、今後の争点は特許に移ることになる。特許については、当初Oracleは7件の特許を主張していたが2件に縮小されている。
米Google
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