Oracle対GoogleのAndroid/Java訴訟で「Java APIは著作権保護対象ではない」との判断

 米OracleとGoogleがAndroidにおけるJavaの知的所有権について争っている訴訟について、判事を務めるWilliam Alsup氏は5月31日、Java APIは著作権で保護されないとの判断を下した。多額の損害賠償金を求めてOracleが開始した訴訟ではあるが、同社の主張の大半は退けられた格好となる。

 4月半ばより米カリフォルニア州北部地区連邦地裁で始まっていたOracle対Googleの審理は、著作権、特許、損害賠償の3ステップで進められた。著作権については、陪審員は37件のJava APIをGoogleが侵害していることを認めたが、フェアユースか否かについては評決がおりず、APIが著作権の保護対象となるかについて判事が判断を下すことになっていた。特許については、5月23日、Oracleは侵害していると主張する特許の件数を当初の7件から2件に縮小したが、侵害は認められないとの評決が下った。

 今回、Alsup判事は37件のJava APIについて、構造(Structure)および手順(Sequence)、構成(Organisation)は著作権の保護対象には入らないとする判断を下した。「Javaのルールの下では、同じ機能を特定するメソッドの宣言は実装が異なる場合でも同一だ。アイデアやファンクションを表現するための方法が1つしかない場合、だれもが自由に表現できるはずであり、これを独占することはできない」とAlsup判事は判決文に記している。

 Alsup判事は同時に、この判決は今回の37件のJava APIに関するものであり、すべてのJava APIをライセンスなしに使用できるわけではないとも付記している。

 損害賠償については「rangeCheck」部分における9行のコードが著作権違反と判断されて、Alsup判事は以前にOracleが要求できる損害賠償金は最大でも15万ドル程度だろうとしていた。

 今回の裁定に対し、Oracleは控訴する模様だ。

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