GitHubとRackspaceに特許問題が発生、FSFは「ソフトウェア特許はWebへの脅威」と主張

 米PersonalWeb Technologiesと米Rackspace HostingおよびGitHubの間で特許問題が発生している。PersonalWeb側はRackspaceとGitHubが同社の特許を侵害していると主張しているが、この問題に対しFree Software Foundation(FSF)は「単にWebサイトを運営するだけで訴えられてしまう日が来る」とソフトウェア特許を批判するコメントを出している。

 PersonalWebはテキサス州東部地区に本拠地を構える企業で、個人ユーザー向けのソーシャル学習プラットフォーム「StudyPods」などの製品を持つ。分散およびクラウドコンピューティング関連で複数の技術特許を保有しており、特許ポートフォリオを重要な資産とする。同社は2011年12月にはAmazonやGoogle、EMC、Hewlett-Packard(HP)などの企業を特許侵害で提訴、その後、AppleやFacebook、IBM、Microsoft、Yahoo!にもターゲットを拡大している。

 9月、PersonalWebはGitHubのコードホスティングサービスと、GitHubをホスティングしているRackspaceのクラウドサーバーが自社特許を侵害しているとしてRackspaceを提訴した。Rackspaceはこれに対し自社ブログで「RackspaceクラウドサーバーとGitHubはまったく別の企業が提供する、まったく別の製品であることを理解していない」とし、PersonalWebが主張する特許は「1999年に取得したあいまいな」特許であり、RackspaceおよびGitHubとはまったく関係のない技術と主張している。

 FSFは9月30日付けのブログで、ソフトウェア特許により「単にWebサイトを運営するだけで訴えられてしまう日が来ると警告してきた。どうやらその日が来たようだ」と記し、特許システムを濫用したソフトウェア特許を廃止する必要があると説く。World Wide Webを発明したTim Berners-Lee氏がWebを全員のものとなるよう公開したことに触れ、ソフトウェア特許はWeb上の自由にとって脅威となると主張した。

 FSFでは欧州で議論中のソフトウェア特許の反対運動など、ソフトウェア特許廃止を訴えるキャンペーンを実施しており、これらの活動に参加するよう呼びかけている。

Free Software Foundation
http://www.fsf.org/